昼食休憩前の△3五銀に、藤井王将は1時間24分考えたすえに▲2八飛と逃げました。以下△4七歩成▲同金△4六歩▲4八金△6四歩▲7八玉△7四歩と進んでいます。
後手の狙いは△7五歩▲同歩△7六歩の攻めです。藤井王将は▲3八飛の銀取りで△3六歩を打たせました。
銀取りを歩で受けさせて、歩切れにさせれば△7五歩の攻めがないというわけです。
控室では、△3六歩にまた先手の手が難しいといわれています。▲1六歩で▲1七角を狙うのは、△8三角(参考図)が嫌みのようです。
次の狙いは△7五歩▲同歩△4七歩成です。と金を作られては先手が勝てません。
先手は▲1六歩以外に▲6八金、▲2八飛、▲4五銀と有力手が多いといわれています。「そうか、ここは大事などころですね」と森下九段、「今日はもうあまり進まないかもしれませんね」と島九段。
これらの候補手は方針が全然違い、また駒が入り組んでいるため形勢判断がかなり難しいです。藤井王将の手は止まっており、耳は真っ赤に染まっています。