【藤井聡太新王将インタビュー】
――一局を振り返ってください。
藤井 序盤から常にこちらの攻めを催促する形でした。常に忙しい展開でしたが、中盤△4四桂(62手目)に▲7四歩が見えていなかったので…。どう指せばいいかわからなかったので、封じ手のあたりは少し自信がないのかなと思いました。
――2日目、好転したのはどのあたりでしたか。
藤井 △4四銀(76手目)から△4三金左として、少しこちらの玉も耐久力がある形なのかなと思っていたのですが、▲8六角(85手目)からかなり迫られる形になってよくわからなかったです。
――終盤まで難しい将棋だという実感でしたか。
藤井 形勢判断ができない場面が多かったなという気がします。
――4連勝という結果についてはいかがですか。
藤井 終わったばかりなのでまだ。実感がないところもありますが、今回の番勝負は8時間という長い持ち時間で対局して、あらためて勉強になる部分が多かったので、今後に生かしていければと思います。
――中村修九段の記録を4年ほど塗り替える最年少王将になりました。
藤井 そのことは全く意識していなかったのですが、王将はとても歴史のあるタイトルなので今回獲ることができてうれしく思います。
――4人目の五冠になりました。意義や価値についてどう受け止めていますか。
藤井 自分の実力を考えるとここまでは出来過ぎの結果なのかなと思いますし、今後なんとかそれに見合う実力をつけていけたらと思います。
――今年度の対局が残り少なくなってきました。今後の対局に向けて。
藤井 順位戦も自分にとっては大きな対局ですので、悔いのないように指せればと思います。
【渡辺明前王将インタビュー】
――カド番で迎えた本局は矢倉を採用しました。この一局をどう振り返られますか。
渡辺 封じ手のところはまずまずと思っていたのですが、手が広くなったところで間違えてしまったような感じですかね。
――4連敗について、対局内容を振り返って。
渡辺 またストレートで負けてしまったことについては…。なんというか、残念というのもちょっと違うし。もうちょっとなんとかしたかったんですけど…。
――今年度は大事な棋王戦も残っていますし、今後の対局に向けての抱負や気持ちは。
渡辺 この結果になってしまったのが残念なので…。そういう感じですね。