(報道陣が対局室へ)
(郷田王将へのインタビュー)
―お疲れ様でした。本局について、郷田王将からお尋ねします。1日目の進行はいかがでしたか?
郷田「考えたことはあったんですけど、実際にやってみるとよくわからなかったです」
―封じ手の時点での形勢判断はいかがでしたか?
郷田「いい勝負。ほかの手も浮かばなかったので、しょうがないかなと」
―その後、攻められることになりましたが、△6六歩の反撃が厳しいということだったんでしょうか。
郷田「そうですね」
―どのあたりでよくなったと思いましたか?
郷田「飛車を取って(82手目△2七同銀成)ちょっとやれるような感じがしました。まだ先が長いですけど、とりあえず駒損を回復できそうでしたし」
―勝ちだと思われたあたりは?
郷田「最後、角(△8三角)が見えたので」
―本局は内容的に満足でしたか?
郷田「後手ではまあまあの分かれだったかと思います」
(羽生名人へのインタビュー)
―続いて羽生名人にお尋ねします。1日目の進行はいかがでしたか?
羽生「以前に指したときに気になった変化があって、やってみたんですけど。あまり思わしい攻め手がなかったかもしれないですね」
―封じ手のあたりはいかがでしたか?
羽生「ちょっとまとめづらい将棋になってしまったかと思いましたね」
―2筋、3筋からの攻めが厳しそうに見えました。
羽生「いやでも、ちょっと今日のお昼休みのところ(74手目△4五銀の局面)は、はっきり悪いんじゃないかと思いました」
―具体的な敗因などありますか?
羽生「いやちょっと何が悪かったか、すぐにはわからないです」
―続いてシリーズを振り返らせてください。郷田王将、これで4勝2敗という結果になりました。
郷田「反省点もたくさんありますけれど、自分なりにうまく指せたかなと思います」
―第4局から3連勝と、何か流れが変わるようなことはありましたか?
郷田「いや、全然そんなことはありませんでした。たまたまですね」
―シリーズで印象に残っている将棋はありますか?
郷田「いますぐにはちょっと浮かばないですね。どの将棋も自分なりにがんばって指したつもりです」
―初防衛となりました。
郷田「ちょっとまだ、実感がわかないですけど。まあ……今回はチャンスを、つかめたかなと。それだけですね」
―今回の勝因は?
郷田「とにかくもうベストを尽くして、という気持ちでした」
(防衛の実感はまだわかない、と最後まで固い表情を崩さなかった)
―羽生名人、シリーズを振り返ってください。
羽生「内容的にも悪い将棋が多かったので、仕方がないかなというところです」
―3局目までは2勝1敗とリードされていました。4局目から何か変わったのでしょうか。
羽生「ちょっと何か、積極的に攻めすぎてしまったのかもしれないですね」
―王将戦は敗退となりましたが、4月からは名人戦が始まります。
羽生「切り替えてまた次、がんばりたいと思います」
(野辺)