弘前市にある歴史的な建造物を、市のパンフレットから紹介します。
■青森銀行記念館(重要文化財)
ルネサンス様式を基調としながら木造の外壁に瓦を敷き詰め、漆喰を厚く塗り込めて防火に配慮するなど、和洋折衷の独特の趣がある青森銀行記念館は明治37年(1904)、第五十九銀行本店本館として建設されました。装飾革を和紙で模した金唐革紙が天井を華やかに飾り、照明器具を吊すメダイオンには漆喰のレリーフ。数々の洋風建築を手がけた明治の名工・堀江佐吉が技術の粋を集めた傑作です。
■旧東奥義塾外人教師館(県重宝)
レンガ積みの基礎とたくさんの窓が特徴的な建物は東奥義塾で招いた外人教師の住居としてアメリカのメソジスト伝道本部が設計したと伝わります。1階東側の張り出し窓にはバージボード(飾り付板)と呼ばれるアメリカ建築特有の飾りを施し、繊細さを添えています。内部は白漆喰を主体とするシンプルな仕上げですが折り上げ天井や帯状の装飾などで空間に変化をもたらしています。
■旧弘前市立図書館(県重宝)
教会を思わせる八角形の双塔をもつ対称形。ルネサンス様式を基調としながら漆喰塗りの外壁や木鼻を用いて庇(ひさし)をせり出させるなど随所に和の様式が取り入れられています。明治39年(1906)に第八師団関係の工事や納入で大きな利益を得た斎藤主(つかさ)や堀江佐吉など5名の篤志家が新設し、市に寄付しました。
■弘前市長公舎(旧第八師団長官舎)(登録有形文化財)
柱や梁などを外壁に露出させたハーフティンバー風の洋館は大正6年(1918)、第八師団長官舎として建設。市役所の新築にともない3分の2が解体、残りが曳家され「弘前市長公舎」として保存・公開されています。玄関中央部に鋭角の切妻破風、屋根には3つのドーマー窓を設け、大正ロマンを感じさせます。
(街を歩きつつ、下に目を向ければりんごを象ったマンホール)