午前中のひとコマ。阿久津八段と関係者が『王将戦 60年のあゆみ』を見て盛り上がっていました。第60期王将戦を記念して編まれたもので、過去の王将戦を振り返る内容になっています。
(そのとき開かれていたのは第54期のページだった)
第54期王将戦リーグの最終七回戦、羽生二冠は郷田真隆九段との2敗対決を制して挑戦権を獲得。リーグに参加した7人中、5人が3敗で並ぶ激戦でした。そのなかにはリーグ初参加の阿久津主税五段の名前もあります。
七番勝負は羽生二冠と森内俊之王将の対決になりました。春に名人も奪取して、竜王を含めた三冠を保持していましたが、羽生二冠がストレートで王将位を獲得。前年に奪われたタイトルを取り返しました。
以下は決着局となった第4局の棋譜です。森内王将の振り飛車穴熊(9筋突き越し)を9筋から一気に攻略して、17時前に投了に追い込みました。
(文中の段位・肩書きは当時)
第54回王将戦七番勝負第4局
平成17年2月9日 熊本・玉名・白鷺荘別館
持ち時間 ▲王位・王座 羽生 善治
各8時間 △王将 森内 俊之
▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △4四歩 ▲2五歩 △3三角
▲4八銀 △9四歩 ▲5八金右△9五歩 ▲6八玉 △3二銀
▲7八玉 △4二飛 ▲5六歩 △6二玉 ▲7七角 △4三銀
▲8八玉 △7二玉 ▲9八香 △5四銀 ▲6六歩 △8二玉
▲5七銀 △5二金左▲9九玉 △9二香 ▲8八銀 △9一玉
▲3六歩 △4五歩 ▲6五歩 △7七角成▲同 桂 △2二飛
▲6六角 △3三角 ▲同 角成△同 桂 ▲6六角 △4二金
▲5五歩 △4三銀 ▲5六銀 △8二銀 ▲6七金 △2一飛
▲8六歩 △5四歩 ▲同 歩 △同 銀 ▲5五歩 △4三銀
▲8七銀 △7二金 ▲7八金 △5八歩 ▲同 飛 △2七角
▲5九飛 △3六角成▲8八玉 △4六歩 ▲同 歩 △同 馬
▲9六歩 △1九馬 ▲9五歩 △9三歩 ▲9九飛 △1八馬
▲8五桂 △3六馬 ▲9四歩 △同 歩 ▲9五歩 △同 歩
▲9四歩 △同 香 ▲9二歩 △同 玉 ▲9五香 △同 香
▲9三歩
まで、85手で羽生 善治王位・王座の勝ち。
(消費時間=▲5時間8分、△5時間21分)