図は37手目▲5六角まで。佐藤王将が長考して自陣角を放ちました。働かなかったり、攻撃目標になるとひどいので勝負をかけた一手といえます。佐藤秀七段によると、先手は▲3五歩や▲4六銀を狙いつつ、後手の動きを牽制しているとのこと。
後手の中原囲いについて「従来の7二に金を置く形は、陣形が開いていて薄いんですね。5一にいる方が金銀が連結していて堅いです。先手が8七に歩を打っているので、▲8二歩も筋もありませんし」と解説します。
佐藤秀七段が示していたのは△2五銀。左銀を棒銀のようにぐいぐい繰り出すのは横歩取りとしては比較的珍しい指し方です。△2五銀は△5四歩と角を圧迫する手を狙いながら、▲3五歩には△3六歩を用意しています。渡辺竜王は50分以上考えて銀を繰り出しました。戦機が熟しつつあります。
2013年2月13日 (水)