湯原を下流に進んでいくと、「はんざきセンター」がある。「はんざき」とは特別天然記念物オオサンショウウオのこと。体が半分にさけても生きていると伝えられることから、この圏域ではそう呼ばれている。
湯原は自然が豊かで昔からオオサンショウウオが生息し、はんざきセンターはその保護を目的として1971年に設置された。施設内ではオオサンショウウオの生体(最大のもので全長約120cm)や旭川上流水系で見られる各種淡水魚が飼育されており、常時観察ができるようになっている。オオサンショウウオは夜行性のため昼間はほとんど動かないが、写真にある「ダイちゃん」はのそりのそりと動いていた。またオオサンショウウオの骨格標本や淡水魚も展示されている。湯原温泉で人気者だった「マーちゃん」(推定年齢150歳)も、標本となってここで眠っている。
施設の敷地には隣接するように「はんざき大明神」がまつられており、その巨大はんざきはお祭りの山車として、毎年8月8日に催される「はんざきまつり」にも登場する。
【はんざきセンター:岡山県・真庭観光連盟ホームページ】
http://cms.top-page.jp/p/maniwa/3/2/17/
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湯原は古墳時代から「たたら製鉄」が盛んだった地域で、史跡や金山が数多く存在している。たたら場といえば、アニメーション映画『もののけ姫』で有名だ。たたら製鉄には多くの人手が必要とされ、良質の砂鉄と大量の木材を求めて山から山への移動を行っていた。労働はきわめて過酷で、温泉はその療養のために利用されていたと見られている。ここ湯原もその拠点のひとつだったようだ。
湯原温泉は、昭和56年に「露天風呂番付」で西の横綱にランクされている。湯原ダムのすぐ下にある露天風呂は、川底から砂を噴きあげて温が湧くさまから「砂場」あるいは「砂噴き湯」と呼ばれている。ここには「長寿の湯」、「美人の湯」、「子宝の湯」の3つがあり、年中無休・無料で入浴することができる。
【露天風呂番付:岡山県湯原温泉郷公式ホームページ】
http://www.yubara.com/onsen/yokoduna.html
(四百年の歴史がある温泉寺薬師堂。「健康かえる」「銭かえる」のお薬師様として親しまれている)
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