18時からは第1局の開幕式が行われました。
【主催者挨拶】
河村宣行・不二家代表取締役社長
私ども不二家にできるということで、ペコちゃんともにお菓子で棋士を応援させていただこうということで、ご提供させていただいております。「ペコちゃんのお菓子ボックス」というものを作りまして、そのなかにお菓子を入れています。明日からの対局では10時、15時に洋菓子をご提供させていただきます。あらかじめ豊島叡王、藤井王位・棋聖に好みをお聞きしまして、それをお届けさせていただきます。ぜひ対局でお疲れになった頭脳を栄養補給していただいて、心身の癒しになればと思います。
豊島叡王、藤井王位・棋聖はともに令和を引っ張っていく代表が叡王戦五番勝負を戦います。このふたりは王位戦七番勝負も戦っていまして、合わせて十二番勝負です。私もダブルタイトル戦は2002年、2005年に経験があり、羽生九段と1週間続けて対局、行動をともにする経験を思い出しました。ずっと顔を合わせておりまして、不思議なところもあったのですが、戦える喜びも大きかったです。
私と羽生さん、豊島さんと藤井さんとの違いはですね、おふたりには「かみさん」がいないということです。しかし、神田明神は「かみさん」ではなく「神さま」がおられるということで、見守られながら素晴らしい内容の対局を期待したいと思います。
【特別協賛社挨拶】
藤野英人・レオス・キャピタルワークス代表取締役社長
父が将棋の大ファンでして、私も幼稚園の頃に手ほどきを受けていました。デパートの将棋祭りに出かけ、朝早くから晩まで将棋を指して楽しんでおりました。そこから成長し、就職して投資の仕事をし、将棋から離れていたんですけど、あることをきっかけに将棋を指すことになり、「HEROZ」(対局アプリ「将棋ウオーズ」の開発・運営を手掛ける)に投資し、将棋を再開するようになりました。そのご縁のつながりでスポンサーを務めるようになり、支えていく喜びがあるなと思っています。この1年間、ABEMAの動画中継でスポンサーの名前に「ひふみ」とあって、貢献している実感と将棋と叡王戦を支える楽しみがあり、ワクワクしてきました。神田明神さんの成功祈願で心が震えるような思いをし、叡王、挑戦者と同じ時間を過ごす幸福を感じております。
【第1局協賛社挨拶】
清水祥彦・神田神社宮司
神田明神は江戸最古の神社として、1300年の歴史を受け継いでまいりました。それは天下分け目の関ヶ原の合戦に際して家康公が必勝祈願をして大勝利を収めた縁起の良い神社として。また大黒様、恵比寿様の七福神、平将門公という関東の英雄をお祀りしています。江戸時代には大橋宗英が襲名したという逸話が伝えられています。またここは銭形平次のふるさとであります。おそらく江戸時代には武士や庶民が将棋を楽しむ憩いの場であっただろうと思います。また日本の電脳コンピューターの街、秋葉原の氏神様でもございます。叡王戦という新しい時代に向けて、将棋の決戦にふさわしい場所であると思っています。神道の世界には「中今」(なかいま)という言葉がございます。いま目の前のこの瞬間、最善の力を尽くすことができるかという意味が込められています。明日の第一局、おふたりが中今を尽くされまして、歴史に名を残す世紀の一戦を繰り広げていただきますことを心からご期待と祈りを申し上げております。
先ほど佐藤会長におっしゃっていただきましたが、神田明神は縁結びの神さまでもございます。お二人には明神様のお祓いをお受けいただいて、そういった幸せにもいつか恵まれることを重ねてお祈り申し上げます。
(書き起こし=紋蛇)