第6期五番勝負第1局 Feed

2021年7月25日 (日)

A7306542(終局直後はインタビューが行われた)

A7306547【勝った藤井王位・棋聖】
――本局を振り返って。
藤井 早い段階で飛車角交換になって、判断が難しかったんですけど、打った角が働く前に急な展開になってしまったので、そのあたりが自信ないと思って指していました。

――△5五銀直(48手目)のあたりはいかがですか。
藤井 すぐに動いてこられるのを軽視してしまって、こちらの形が整う前に戦いが起きてしまったので、少し苦しくしてしまったのかなと思っていました。

――そのあと▲3四角(53手目)と打ったあたりについては。
藤井 なんとか攻め合いにできるかなと思っていました。

――よくなったと思ったところは。
藤井 (75手目に)飛車を取れて、攻めていける形になったところです。

――次局への抱負をお願いします。
藤井 第2局、第3局と(短い期間で)続けてあるので、しっかり状態を整えて臨めればと思います。

A7306563_2【敗れた豊島叡王】
――本局を振り返って
豊島 出だしは2歩損になってしまったので、あまり自信がなかったんですけど、そのあと▲3四角(53手目)で対応が分からなかったです。指せる順がありそうな気がしたんですけれど。本譜は分からないまま指してしまって、▲8五金(71手目)と打たれてダメになってしまった気がします。

――次局の抱負をお願いします。
豊島 またすぐあるので、しっかり準備して頑張りたいと思います。

20210725a図の局面で豊島叡王が投了しました。終局時刻は18時11分。消費時間は▲藤井聡4時間0分、△豊島4時間0分。

第1局は藤井王位・棋聖が制しました。第2局は8月3日(火)に山梨県甲府市 「常磐ホテル」で行われます。

(紋蛇)

20210725_70まだまだ難しい中盤戦が続くかと思いきや、一気に終盤戦へとなだれ込んで図の局面を迎えています。現地控室の検討陣から「後手がつらい」「終局が近づいてきた」という声が上がりました。いつの間にか挑戦者の藤井王位・棋聖が抜け出したようです。

A7306134 (だいこく様。重さは約30トンで、石造りとしては日本一のだいこく像とのこと)

A7306137_2 (えびす様。海の仲間であるイルカ、タイ、トビウオに守られて大海原を渡る姿を造形したとのこと)

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A7306131(獅子山。谷底へ突き落とした親獅子の2頭と子獅子がいる構図だ。千代田区指定有形民俗文化財に登録されている)

第1局の対局場である「神田明神」は、東京都千代田区外神田に鎮座する神社です。正式名称は「神田神社」。2年に1度、日本三大祭りの一つとして数えられる「神田祭」が開催されます。本来ならば今年5月に行われるはずでしたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて主な行事は中止となり、神事のみが執り行われました。

【神田明神とは|江戸総鎮守 神田明神】
https://www.kandamyoujin.or.jp/profile/

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A7305029(本殿)

A7305030(本殿にも熱中症対策でミストシャワーが設置されていた)

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A7305028結婚式場がある明神会館。昨日は叡王戦の記者会見場として使用された)

A7305015(コロナ対策で竜の口から流れ出る水は止められ、奥の流水式のみになっていた)

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20210725_48_215時40分頃、図の局面を考慮中に藤井王位・棋聖は残り1時間を切りました。一方の豊島叡王は1時間20分ほど残しています。3九角は△2八歩成を防ぐために打った角ですが、受け一方になると先手がおもしろくありません。A7306237(藤井王位・棋聖はいつも通り、時間を惜しまず使うスタイルで戦っている)

撮影用の午後のおやつを島九段と佐藤九段に食べてもらいました。

A7306462(「おいしゅうございます。夕ご飯はいらないですね」とミルクレープを口に運ぶ島九段)

A7306512_2(「プレミアムミルキーバターサンド」を手に撮影)

A7306525(島九段の勧めで佐藤康九段も「プレミアムミルキーバターサンド」をパクリ)

15時、午後のおやつの時間になりました。メニューは豊島叡王が「山形県産佐藤錦のミルクレープ(厳選素材)」、藤井王位・棋聖が「プレミアムミルキーバターサンド」。飲み物はどちらも「リオレッドグレープフルーツジュース」です(豊島叡王は氷なし)。お菓子はいずれも不二家のものです。

A7306410_2 (豊島叡王のおやつ)

A7306392(藤井王位・棋聖のおやつ)

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図の局面で豊島叡王は腰を落として考えています。▲2四歩の具体的な狙いは▲8七銀△8二飛▲8三歩△同飛▲2三歩成△同金▲5六角です。

14時頃の控室では、日本将棋連盟会長の佐藤康光九段と立会人の島朗九段が継ぎ盤で検討していました。隣では石井健太郎六段が関係者に解説中。石井六段は9月発売の『将棋世界』10月号で池永天志五段と第1局、第2局の解説を担当します。

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A7306379(佐藤九段)
A7306384(島九段)

A7306372_2(図から△2七歩の変化が調べられていた)A7306390(石井六段)