第5期七番勝負第8局 Feed

2020年9月 6日 (日)

第9局の振り駒後、豊島竜王に勝利者インタビューが行われました。

――いまの感想をお願いします。
豊島 フルセットになったのでホッとしたというか、盛り上げるという意味では役目を果たせたのかなと。
――本日の対局を振り返って。
豊島 あの形になったら仕掛けてみようと思っていました。後手がまとめづらいのかなという展開が続いて、最後は一手勝ちを読みきることができたと思います。
――準備期間で研究を深めて本局でぶつけられたのでしょうか。
豊島 いろいろな形を指されるので、どうなるかはわかりませんでした。深く研究できていたわけではないんですけど、たまたまうまくいった感じです。
――第9局の先後と持ち時間が決まりました。
豊島 (持ち時間は)なんとなく6時間かな、という気はしていました。このシリーズはとことんいこうという流れになっているので、第9局も粘り強くやれたらと思っています。
――自分が時間を選ぶとしたら長い時間というイメージでしたか?
豊島 勝たないと第9局にならないですし、勝ったとしても振り駒で先手が出ることもあるので、ちゃんと考えられてはいなかったです。
――第9局に向けて。
豊島 これだけたくさん戦ってきて最後なので、悔いのない将棋を指せればと思います。

以上で第8局の中継を終了いたします。ご観戦くださいまして、ありがとうございました。

(書き起こし=文記者)

感想戦終了後、第9局の振り駒が行われました。記録係の齊藤三段による振り駒の結果は、「と金」が5枚。豊島竜王の先手に決まりました。後手になった永瀬叡王は、持ち時間に「6時間」を選択しました。

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七番勝負第8局は豊島竜王が勝ち、シリーズ成績を3勝3敗としました。終局時刻は20時8分、消費時間は▲豊島竜王3時間37分、△永瀬叡王5時間0分。第9局は9月21日(月・祝)、東京・将棋会館で行われます。

20200906_65図は6八の玉を7八に寄って詰めろを防いだ局面。まだ夕食休憩明けから40分ほどしか経過していませんが、豊島竜王が▲2一金(57手目)と最短の勝ちを目指したことで、一気に終盤戦へとなだれ込みました。後手は桂を1枚でも渡すと、▲4三桂成△同玉▲5五桂から詰まされてしまうのが泣きどころです。

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18時、この局面で豊島竜王が36分使って夕食休憩に入りました。消費時間は▲豊島2時間44分、△永瀬4時間15分。
夕食注文は、両者とも陣屋特製豚漬け重。飲み物は永瀬叡王が抹茶、アイスコーヒー、グレープフルーツジュース、豊島竜王がグレープフルーツジュース。対局は18時30分に再開されます。

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20200906_51豊島竜王が端にベタッと金を打った局面。先崎九段は「結構、差がついているのでは」と話しています。先手が順調にリードを拡大しているようです。

16時55分、西日が上座側に当たるということで、永瀬叡王は記録係に声をかけていました。

A7301966_2 (控室のモニターから。雨戸が閉められたようで、問題はすぐに解決された)

20200906_47図は15時20分頃の局面。持ち駒の角を2六に打ったところです。先崎九段は「次の▲4四金が受けにくい」と話しており、後手に苦労が多い局面になっているようです。また、先崎九段は▲2六角に代えて▲6一角△5二銀▲3二角という順も示していました。

境内西側にある「千年の杜」には、守り神として「龍蛇神」が祀られていました。湧き水が出ており、汲んで持ち帰ることもできます。初夏には蛍が見られるそうです。

A7301601 (千年の杜の入り口)

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