第9局の振り駒後、豊島竜王に勝利者インタビューが行われました。
――いまの感想をお願いします。
豊島 フルセットになったのでホッとしたというか、盛り上げるという意味では役目を果たせたのかなと。
――本日の対局を振り返って。
豊島 あの形になったら仕掛けてみようと思っていました。後手がまとめづらいのかなという展開が続いて、最後は一手勝ちを読みきることができたと思います。
――準備期間で研究を深めて本局でぶつけられたのでしょうか。
豊島 いろいろな形を指されるので、どうなるかはわかりませんでした。深く研究できていたわけではないんですけど、たまたまうまくいった感じです。
――第9局の先後と持ち時間が決まりました。
豊島 (持ち時間は)なんとなく6時間かな、という気はしていました。このシリーズはとことんいこうという流れになっているので、第9局も粘り強くやれたらと思っています。
――自分が時間を選ぶとしたら長い時間というイメージでしたか?
豊島 勝たないと第9局にならないですし、勝ったとしても振り駒で先手が出ることもあるので、ちゃんと考えられてはいなかったです。
――第9局に向けて。
豊島 これだけたくさん戦ってきて最後なので、悔いのない将棋を指せればと思います。
以上で第8局の中継を終了いたします。ご観戦くださいまして、ありがとうございました。
(書き起こし=文記者)






図は6八の玉を7八に寄って詰めろを防いだ局面。まだ夕食休憩明けから40分ほどしか経過していませんが、豊島竜王が▲2一金(57手目)と最短の勝ちを目指したことで、一気に終盤戦へとなだれ込みました。後手は桂を1枚でも渡すと、▲4三桂成△同玉▲5五桂から詰まされてしまうのが泣きどころです。




豊島竜王が端にベタッと金を打った局面。先崎九段は「結構、差がついているのでは」と話しています。先手が順調にリードを拡大しているようです。
図は15時20分頃の局面。持ち駒の角を2六に打ったところです。先崎九段は「次の▲4四金が受けにくい」と話しており、後手に苦労が多い局面になっているようです。また、先崎九段は▲2六角に代えて▲6一角△5二銀▲3二角という順も示していました。





