五番勝負は下記の日程で行われます。
第1局 4月3日(木)愛知県名古屋市「神楽家」
第2局 4月19日(土)石川県加賀市「アパホテル&リゾート 佳水郷」
第3局 5月4日(日)愛知県名古屋市「か茂免」
第4局 5月26日(月)千葉県浦安市「ハイアットリージェンシー東京 ベイ」
第5局 6月14日(土)千葉県柏市「柏の葉カンファレンスセンター」
以上で本局の中継を終了いたします。ご観戦いただき、ありがとうございました。
五番勝負は下記の日程で行われます。
第1局 4月3日(木)愛知県名古屋市「神楽家」
第2局 4月19日(土)石川県加賀市「アパホテル&リゾート 佳水郷」
第3局 5月4日(日)愛知県名古屋市「か茂免」
第4局 5月26日(月)千葉県浦安市「ハイアットリージェンシー東京 ベイ」
第5局 6月14日(土)千葉県柏市「柏の葉カンファレンスセンター」
以上で本局の中継を終了いたします。ご観戦いただき、ありがとうございました。
――名人戦に2期登場している。叡王戦はチェスクロックの4時間で短いが、違いへの対応は考えているか。
斎藤 過去に何度かタイトル戦に出る機会がありましたけど、今回はその中で一番持ち時間が短く、基本的にはかなり決断力を求められると思っています。今期の叡王戦もそこを意識していて、普段は長考することが多い自分らしいところは切って、ある程度覚悟してやらないといけないなと。タイトル戦でも忘れず対局に臨みたいと思っています。
――伊藤叡王について、昨年の五番勝負を見て印象に残ったところは。
斎藤 藤井七冠にリードされてから逆転する棋士はなかなかいない。勝負師としての強さもあり、また作戦面から考えてそういう戦い(終盤に時間を残す)をしようと思っていたのかなと。序盤の研究の深さと終盤の勝負強さのバランスがよいからこそ、タイトルホルダーになられたと思っています。
――3年ぶりのタイトル戦になる。
斎藤 タイトル挑戦と、タイトル獲得もしくは棋戦優勝は違う位置といいますか、タイトル獲得までいってその棋戦の成就になるので、かなり先は遠いと思っています。私はタイトル戦でかなり負け越していますので、挑戦したからといってうれしいとはあまり思ってはいないですし、ここからまた厳しい戦いが始まると思っています。この3年間そういうチャンスがなかったですし、中継もない対局も多く指していましたので、注目される対局ができるのは棋士として久しぶりに味わえるのですが、それが苦しいだろうな、という。なのでまだまだですね。
――この3年間の歩みはどう感じていたか。最近はスタイルも変わったように思う。
斎藤 この3年間は個人的にはほぼ指し分け、勝ったり負けたりであまり進まなかった。当然進みたかったというか、進んでいるという認識がほしかったですけど、なかなか難しくて。自分はそんなものなのかなと思うときもあったが、やっぱり寂しくて、もう一度見てもらえる将棋を指したかった。それほど大きく変えたところはないというか。対局前でも熟睡することが多くなったので、人間として成長したのか刺激を失っているのか分からないですけど、対局前日に神経をたかぶらせることはなくなった。今日も緊張感はなかったので、精神的には成長したかなと思っています。技術的に成長しているところをこのタイトル戦の舞台で出せるかどうかかなと思っています。
――叡王戦五番勝負と同時期に棋聖戦と王位戦で挑戦を目指す戦いも始まる。どう両立するか。
斎藤 スケジュール的な難しさはあると思いますが、対局と対局の間があくと公式戦の感覚が抜けることがあるので、それがないのはいいところかなと思う。作戦をどう使っていくか、一つの戦法だけでストックしていると足りなくなると思いますので、うまく分けられるようにと思っています。
――五番勝負では名古屋での対局が2局ある。名古屋の印象は。
斎藤 タイトル戦やイベントで名古屋に入ることはこれまで結構あった。来場されるファンの方が将棋を楽しみ、また熱く応援してくださっている印象はあって。その声援を感じられる地なのかなと思います。
――本局は終盤の見切りが印象的だった。今いい状態にあるという感覚はあるか。
斎藤 これまでは読みを入れて完全に読みきってから指そうという意識があったんですけども、叡王戦ではそういう時間の使い方をするとすぐになくなってしまう。今日の▲4三香(89手目)のところはある程度イメージというか、将棋というゲームはなんとかなっているものだと開き直って指しているというか、そういう戦い方はちょっとずつできるようになったのかな、と。序盤や中盤で見切り発車をして失敗することもあるんですけど、現代将棋ではそうした戦い方が大切になっていることがほかの棋士の戦いぶりからも分かりますので。見切り発車で失敗しても、まあ次、頑張ろうという気持ちでやっていました。
――結婚されてから初めてのタイトル戦になる。
斎藤 結婚してから(成績が)下がり気味といわれてしまうのは不本意というか、自分は戦っている人間なのでいいんですけど、家族はなかなか苦しいところはあったと思いますので、両立できていると証明できるようにしっかり今後も頑張らないとなと思っています。
――詰将棋解答選手権が叡王戦の前哨戦になる?
斎藤 すいません、今年は出ないです(笑)。(同選手権のチャンピオン戦が開催される3月30日に)重要なお仕事が重なってしまいましたので出られないんですけど、今年の選手権は伊藤叡王も、もしかしたら藤井(聡太竜王・名人)さん、ほかにも超トップ級の棋士たちが出るのではないかと噂では聞いています。詰将棋解答選手権そのものは盛り上がると思いますが、私は出ないということで、前哨戦はお預けということで。
――挑戦を決めた感想、五番勝負への意気込みを。
斎藤 最近の将棋界の盛り上がりに参加できていない自覚があったので、チャンスがあるということは一つ進めたのかなと思いますが、タイトル戦でどのような将棋を指して勝負に持っていけるかが大切だと思っています。今考えていることは、タイトル戦にどのような作戦を持っていくか、その一点です。よろしければ私の将棋を見ていただけるとうれしいですし、ちょっと見てみようか、と思っていただける将棋を指せるように頑張りたいと思っています。
【斎藤慎八段の談話】
――△5五歩(22手目)と仕掛けられた辺りまでについて。
斎藤 あまり前例のない将棋になるかと思っていました。▲6六歩(21手目)と突いたので、△5五歩と来られるのは覚悟していて。なんとか収まるように、読みを入れる展開になったかなと思います。
――▲4五歩(59手目)△同歩▲4四歩で先手がペースを握ったように見えた。
斎藤 細いですけど、ギリギリつながるんじゃないかなと思っていて。正確に指せば、いい展開があるかなと。
――一局全体を通して。
斎藤 5筋の折衝がどのように収まるか、ずっと分からなくて。(25手目で)▲6七金右と▲6七金左はどっちがいいか、そもそも▲6六歩(21手目)と突かないほうがよかったかなとか。序盤に結構難しい箇所が多かったと思うんですけど、持久戦になってからは少し落ち着いて攻めの形を作れたので、そこからまずまず、攻めをつなげることができたのかなと思います。
――挑戦を決めた感想について。
斎藤 今期の叡王戦は段位別予選からでしたので、なかなか遠いところだなとは思っていました。比較的、持ち時間の短いなか、ある程度、覚悟してというか、決断して進める将棋が続けられたのはよかったのかなと思います。
――今期本戦を振り返って。
斎藤 本戦から持ち時間が各3時間と変わるので、(各1時間の)予選とはまた全然違うようなところで。当然ながら強い棋士しかいないといいますか、ずっと厳しかったと思います。普段は長考することが多いですが、チェスクロック形式の3時間という少し短めの持ち時間というのを意識して、ある程度で指さないとなっていうのはずっと思いながらやっていました。
――五番勝負で戦う伊藤匠叡王について。
斎藤 伊藤叡王は最先端の研究が深い一面と、中終盤力がほかの棋士以上のものを持たれているのは、昨年の叡王戦でもよく分かるところなのかなと思います。大変強い棋士だなと思います。
【糸谷八段の談話】
――△5五歩(22手目)と仕掛けた辺りは。
糸谷 5筋を突いてしまうのは悪いクセでした。自分は5筋を過大評価しているクセがありまして、本局も難しいか、ちょっと悪いかで収まるかなと思ったんですけど、組み上がってみると、こっちがしんどい将棋になってしまったかなと。△5三銀(18手目)から本譜のように進めたのは少し無理があったかなと思います。
――その後、▲4五歩(59手目)から4筋を攻められる展開になった辺りは。
糸谷 組み上がった形はだいぶ手損していて厳しかったです。5筋から行くんだったら、もうちょっと頑張って▲6七金右(25手目)辺りのところで攻めていかなければいけなかったかなと。いったん後退して、立て直す形にしたのがよくなかったかと。
――一局全体を振り返っては。
糸谷 仕掛けが軽くなって手損してしまったので、そこがよくなかったかなと思います。最後は攻め倒されたというか。きれいに決められてしまいました。
――今期の叡王戦を振り返って。
糸谷 本田奎六段、鈴木大介九段、藤井聡太竜王・名人と強豪ばかりの相手で、これまでは先攻する展開になったのですが、本局は攻めが軽くて、受けに回る展開になってしまったという感じですね。
先手の端攻めに対し、後手は玉頭から強気な受けで応戦しました。しかし、変化の余地が少ないためか、図の局面まで早いペースで進みました。先手は銀立ち矢倉が無傷なのに対し、後手玉周辺は壊滅的な状況です。先手の攻めが切れる心配もなく、斎藤慎八段が着実に優位を拡大しています。
図は13時30分頃の局面。後手は7五の位に目をつけ、5二にいた飛車を7二に回りました。次の狙いは△7四歩▲同歩△同金です。先手はまだ攻撃態勢が整っていないので、▲2六角~▲3七桂を急ぐ展開が予想されます。