終局直後のインタビューを終え、対局者は大盤会場に移動。対局を振り返り、ファンに感謝の言葉を伝えました。
(伊藤叡王は苦しい将棋を粘り強く指し、最後は逆転に成功した)
伊藤叡王「中盤あたりから苦しい時間帯が続いていたのかなと思います。秒読みになってからは難解な局面が続いて、判断できないまま指していました。▲4七香△4五歩(88手目)に▲同飛の変化もかなりきわどくて、負けの順もありそうと思いながら指していました」
(タイトルが近いんじゃないか。そう感じた局面もあったという)
(言葉を続けながら変わりゆく斎藤八段の表情。対局中も心は揺れ動いたのではないか)
斎藤八段「今日の対局は、思ったよりうまくいったんじゃないか、もしかしたらタイトルが近いんじゃないか、と思ってしまったかなあという感じで。▲7一飛(67手目)で少し手応えがあったのですが、そこから決め手を放てず、ずるずるといってしまいました。伊藤叡王の粘りに、こちらが見えなくなってしまいました。終盤はおそらく勝ち筋があったと思うので、やはり将棋は終盤というふうに思いますし、悔しいというのが正直なところです」