第5期七番勝負第4局 Feed

2020年7月20日 (月)

Img_4601・永瀬拓矢叡王インタビュー

―いまの率直な気持ち?

永瀬 率直な気持ちとしては、今日はとても長い一日だったと思います。

―叡王としての叡王戦初勝利。そのあたりは?

永瀬 まずは安心しました。内容は、第4局はかなり形勢を損ねてしまったと思いますが、まずは初勝利を挙げられてよかったなと思います。

―第4局の内容を振り返って?

永瀬 横歩取りの将棋でしたが、序盤で少し注文つけてこられた手(27手目▲1六歩)に対してこちらが△7六飛としたのですが、それが形勢を損ねてしまったのかもしれないので、問題になる指し方をしてしまったような気がします。

―優勢を意識し始めた局面?

永瀬 最後のあたりは優勢かなと思ったのですが、(204手目)△1七馬に▲2八金とされた局面で△4四馬では、形勢が逆転して悪くなっていてもおかしくないのかなと思って指していました。ただ、長く秒読みだったので、即座に判断が難しいところでもありました。

―放送を見ているとシーソーゲームのようだったが、対局している本人にとっては?

永瀬 見ていただく方の楽しみというか、対局者はかなり大変な思いをしながら指しているのですが、その中でプロですので、精度が求められても仕方ないと思っています。

―1日を振り返って?

永瀬 持将棋を2局連続という形になったんですね。今日の持将棋局は、最善の手を指すのは難しかったと思いますが、形勢がよかったのであれば何とかしたかったと思います。

―持将棋の2局連続は意外だったか、可能性として考えていたか?

永瀬 いや、可能性としてないのではないかと思っていたんです。持将棋の確率はかなり低いので、2局連続はすごい偶然が起こったのではないかと思います。

―現在の体力的には?

永瀬 いまは問題ないのですが、山場を越えるまではしんどいのかなと思います。比較的ハイになっているので、疲れはまったく感じていないのですが、その分、明日は恐ろしいことになるのではないかなと。今日、早く寝ないといけないなと思っています。(もう1局あれば)指せるのでしょうが、それは負担がありそうな気がします。ただ、いまの状態ならできるかも、しれません。

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Img_4610(両者の激戦は、まだまだ終わらない)

インタビュー書き起こし=飛龍記者
写真撮影=武蔵


以上で叡王戦七番勝負第4局の中継を終了します。
第5局は7月23日(木・祝)東京都渋谷区「東京・将棋会館」で行われます。
ご観戦、誠にありがとうございました。

Eiou202007190201_232七番勝負第4局は232手で永瀬叡王の勝ちとなりました。終局時刻は23時59分。消費時間は▲豊島1時間0分、△永瀬1時間0分(チェスクロック使用)。対戦成績は1勝1敗(2持将棋)となりました。第5局は7月23日(木)、東京・将棋会館(東京都渋谷区)で、持ち時間各3時間(チェスクロック使用、切れたら1手60秒の秒読み)で行われます。

2020年7月19日 (日)

2020071920123時30分、ついに対局時間が4時間を超えました。第2局から数えて3局連続で200手超えです。あと30分たつと、日付が変わります。

20200719175対局開始から3時間30分を過ぎました。控室には、夜戦に備えて軽食が運ばれました。両対局者と記録係にも、局後に渡される予定です。
間もなく手数は180手に迫ります。持将棋にならずとも、200手を超えるのでしょうか。

Img_4580(関係者に配られたサンドイッチ)

20200719151_2棋譜用紙は1枚に150手記入できます。将棋界では151手を超えると、「2枚目に入った」といわれます。第3局の207手と合わせて、今日1日で両者の手数は350手を超えました。
両対局者の体力も凄まじいですが、一手一手を記録する高橋三段も必死です。

Img_4579 (無尽蔵の体力を持つ3名)

2020071983控室の森内九段は、上図の▲7九歩を見て「先手よし」と形勢判断をしました。杉本昌八段も「先手が後手の攻めを余せられる」と見ています。
豊島竜王・名人が一歩抜け出したようです。しかし、相手は粘り強さを持ち味とする永瀬叡王。
まだまだ、勝負の行方はわかりません。

Img_4576(永瀬叡王側に座って、検討する杉本昌八段)