2024年5月 2日 (木)

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(感想戦終了後、藤井聡太叡王が去ったあとに93手目▲8七銀のところで▲7九桂と受けた変化を尋ねられ考える伊藤匠七段。「負けかもしれませんね」と振り返った)

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(見届け人の方に、伊藤七段から駒が贈呈された)

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(記念撮影)

本局の中継はこれで終了いたします。ご観戦ありがとうございました。

対局者はインタビューのあと、大盤解説会場の中電ホールに向かいました。

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(到着前、佐々木勇気八段が「解説は難しかったでしょうか」と会場に問いかけると「わかりやすかったです!」と答える声をきっかけに大きな拍手が起こった)

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(解説のときに心がけていることを話す佐々木勇八段)

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佐々木勇八段「指さなさそうな手よりも、これから指すであろう手を解説するように心がけています」

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佐々木勇八段「4月、5月は仕事を引き受けすぎてしまったので、5月で仕事納めにするかもしれません」

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(終局直後)

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(タイトル奪取まであと1勝とした伊藤匠七段)

【伊藤匠七段インタビュー】
── 角換わり腰掛け銀で、午前中は速いテンポで指し手が進みました。
伊藤 △5二金型をやってみようと思ってはいたのですが、かなり手が広い将棋なので、どういう展開になるのか、やってみないと分からないと思っていました。

── 66手目△4三金右は1時間19分の長考でした。
伊藤 ▲7九玉に△6七歩(58手目)と垂らした手はちょっと軽率だったかなと。本譜の進行のときに、かなり損をしたので、自信のない展開になってしまったかなと思いました。

── 96手目△7六同馬から秒読みに入りましたが、この辺りの形勢判断は?
伊藤 直前は負けがありそうな気がしていたのですが、秒読みに入った辺りは、こちらにも手段がありそうな気がしていました。

── その後、▲4三桂(111手目)から藤井叡王の王手が続きましたが?
伊藤 はっきりとは分からないまま指していました。

── 勝ちを意識されたのは?
伊藤 最後△1五桂と打って勝っていそうかなと思いました。

── 一局全体を振り返って。
伊藤 中盤のバランスの取り方に課題が残ったと思うので、そこは修正していかなければと思います。

── 第4局に向けて。
伊藤 本局はかなり課題が残る内容だったので、しっかり振り返って臨みたいと思います。

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(敗れた藤井聡太叡王。タイトル戦での連敗は初めて)

【藤井聡太叡王インタビュー】
── 序中盤を振り返って。
藤井 先に仕掛けていくような形になったのですけど、こちらの玉も攻められ出すと薄いので、一手一手が難しい将棋かなと思っていました。

── 91手目▲6一飛から秒読みに入りましたが、この形勢判断は?
藤井 直前の△7六銀(90手目)をうっかりしたので、負けにしている可能性が高いかなという気がしました。

── その後、かなり厳しい、秒読みの中での将棋が続きましたが。
藤井 その辺りは、基本的に負けかなと思っていました。

── タイトル戦で先に王手をかけられるのは初めてですが。
藤井 星取りとしてはそうですね、厳しい状況になってしまったかなと思います。

── 先手番を落とすのは、昨年の王座戦第1局以来でしたが。
藤井 終盤でちゃんと読めていないところが多かったので、その辺りが結果にも出てしまったと思います。

── 一局の総括と第4局に向けての意気込みを。
藤井 本局は難しい将棋だったと思うのですが、中盤から終盤に入る辺りで、何か手段があってもおかしくない感じだったので、その辺りで間違えてしまったのは課題が残るところだったと思います。カド番にはなりましたけど、やることは変わらないので、第4局もしっかり準備して頑張りたいと思います。

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(このあと、大盤解説会に向かった)

(書き起こし=夏芽)

投了図

第9期叡王戦五番勝負第3局▲藤井聡太叡王-△伊藤匠七段戦は、146手で伊藤七段が勝ちました。終局時刻は18時43分。消費時間は▲藤井4時間0分、△伊藤4時間0分(チェスクロック使用)。

この結果、五番勝負は伊藤七段の2勝1敗。初のタイトル獲得まであと1勝となりました。

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図の△3六銀成が鮮やかな決め手と言われています。以下▲同玉△3五銀▲3七玉△2五桂▲3八玉に△2一馬で先手玉は受けがありません。

控室では△3六銀成が伝えられると「匠、かっこいい」「いいものを見た」と賛辞が送られています。

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111手目の▲4三桂から王手を続けていた藤井聡太叡王、後手玉が2四まで逃げたのを見て▲6六飛成と受けに回りました。竜と馬が利いていますが、△6七歩がうるさい攻めのようです。ただ先手玉もすぐ寄るわけではなく、大激戦になってきました。

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18時15分頃の局面。▲6八同玉△6六歩▲同飛成△同馬は後手が勝ちそうです。控室では△6六歩に▲4三桂△同金寄▲2三桂が検討されています。正確に指せば後手玉は詰まないと思われていますが、かなり王手が続きそうです。7六馬が動くと先手玉の受けが生じる可能性も出てきます。

「出題者、藤井聡太。大変だよこれは」(勝又七段)