第5期七番勝負第7局 Feed

2020年8月10日 (月)

Dsc_32272 (感想戦後、勝利した永瀬叡王は主催のインタビューに応じた)

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――一局を終えて、いまのお気持ちを教えてください。

永瀬 難しい終盤で、形勢判断が正確にできていなかったと思います。

――叡王防衛まであと1勝になりました。次の第8局は9月6日(日)ということで、1ヶ月弱の間隔が空きますが、どのように過ごされますか。

永瀬 今日の振り駒で先後が決まりましたので、できる限り準備をして、対抗できるようにしたいと思います。

Dsc_32331 (パソコンでニコニコ生放送を見ながら、視聴者の質問に答える)

――ニコニコ生放送のユーザーの皆様の質問にもいくつかお答えください。

永瀬 黒マスクは、夏はよくないそうなので、そろそろやめます。体感温度が5度くらい上がってしまうらしいので。本当の真夏になってきたら白に切り替えようかなと。今日は35度くらいでしたので、まだぎりぎり黒でもいいかなという感じがしています。

永瀬 コーヒーは無糖ですね。やっぱり体重が増加気味なので、ここで糖をとってはいけないので。棋士になってから、コーヒーはずっとブラックですね。

永瀬 夕食は休憩が30分と短いので、そんなにしっかりは食べられなかったんですけど、おいしいものを用意していただいて。

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――いま食事の話が出ましたが、本日はバナナは召し上がりましたか。

永瀬 そうですね。食べてないです(笑)。コーヒーのほうが(効果が出るのが)早いので、コーヒーに本格的に切り替えたいなと思ってるんです。コーヒーとバナナで効用は違うと思うんですけど、コーヒーで全部済むのであれば、結構、体重の増加を抑えられるのではないかと。やっぱり体重は減らないので、増やさないように気をつけなければいけないなと。ただ、持将棋・千日手の場合はバナナを投入しますし、可能性はありますので。今日はそういう展開ではなかったので、コーヒーメインで。コーヒーは普段から飲んでるんですけど、あまり飲みすぎないように、対局のときだけ飲むように気をつけています。

――ニコニコ生放送とABEMAで本局を見守られた皆様へのメッセージと、次局への意気込みをお願いします。

永瀬 ご視聴ありがとうございます。(次局も)チェスクロック6時間で長丁場なんですけど、朝から見ていただくという楽しみ方もあると思います。一生懸命指して、皆様に少しでも活力を感じてもらえればと思いますので、応援いただければ幸いです。よろしくお願いします。ありがとうございました。

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以上で本局の中継は終了です。ご観戦ありがとうございました。第8局は、9月6日(日)に神奈川県秦野市「元湯 陣屋」で行われます。持ち時間は各6時間(チェスクロック使用)で、先手番は豊島竜王・名人です。どうぞお楽しみに。

Dsc_31852 (永瀬叡王は、初防衛まであと1勝)

Dsc_31882 (敗れた豊島竜王・名人。ここから巻き返すことができるか)

Dsc_31931 (永瀬叡王のバナナは手つかずだった)

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第5期叡王戦七番勝負第7局は、図の局面までで永瀬叡王の勝ちとなりました。終局時刻は22時16分。消費時間は、▲永瀬叡王5時間2分、△豊島竜王・名人5時間43分。

勝った永瀬叡王はシリーズ成績を3勝2敗とし、防衛まであと1勝に迫りました。

20200810r22時14分、豊島竜王・名人が90手目となる△5五同歩(図)を着手し、本シリーズの合計手数は1231手になりました。これまでのタイトル戦番勝負における合計手数の最長記録は、加藤一二三十段が中原誠名人(肩書はともに対局当時)から名人位を奪取した第40期名人戦(1982年)の1230手でした。約38年ぶりとなる記録更新です。

Dsc_31771 (記録更新の瞬間。控室のモニター映像から)

20200810q22時を回りました。局面は永瀬叡王がはっきり勝ちになっています。図の△6三同金に、▲同香成と平凡に金を取って問題なさそうです。

Dsc_31281 (永瀬叡王。あとはどう寄せきるかだ)

20200810o上図は21時35分頃の局面。次に▲6三歩成が入ると、後手は適当な受けがない格好です。攻め合いにいくなら△5五桂ですが、以下▲6三歩成△6七桂成▲同玉△5七桂成▲7八玉(▲同玉は△5六銀から詰み)と一直線に進めた局面(変化図)は先手玉に詰みがなく、△6三銀とと金を払っても、▲6二飛成△同歩▲5二歩から後手玉に詰みがあります。自然な△5五桂が利かないとなると、後手の指し手はかなり難しそうです。

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Dsc_31341 (豊島竜王・名人。何か勝負順を見いだせるか)

20200810n20時35分、豊島竜王・名人が17分の考慮で△6一歩(図)と打ちました。これは▲6四歩△5二銀▲5四桂△同歩▲6三香といった攻めに備えた意味ですが、ここで受けに回らざるをえないのではつらそうです。前手の▲4六桂が1六竜の横利きを止めつつ好機に5四香を外す筋を見た手堅い手で、永瀬叡王が優位を確保したものと思われます。

Dsc_31191 (豊島竜王・名人。残り時間は1時間を切った)

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20時10分を過ぎました。図の△6五歩に、永瀬叡王が20分ほど考えています。無難に応じるなら(1)▲7七銀ですが、(2)▲7三歩成△6六歩(△同銀は▲6五馬)▲6三と△6七歩成▲同金△6三銀とはがし合う順も見えるところ。慎重に比較検討しているものと思われます。ニコニコ生放送の千田七段は、いずれでも先手が少しよさそうという見解です。

Dsc_31241 (永瀬叡王。よさをはっきりさせる順があるか)

20200810l図は19時15分過ぎの局面。後手の豊島竜王・名人は△1六竜~△4五桂~△5四香~△6五歩と、持てる力を結集して先手玉頭にプレッシャーを掛けていきました。先手の永瀬叡王は▲5八金~▲6七金左~▲7七銀と、自陣の金銀を活用して対抗。形勢については、先手ペースという声も出始めています。

Dsc_31291 (永瀬叡王。あとの▲7三歩成を楽しみに、ひとまずは受けに回る)