2020年9月 6日 (日)

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図は11時45分頃、後手が6一の金を5二に上がった局面です。この手で1局だけ存在した前例と別れを告げました。前例は▲佐藤天彦名人-△永瀬六段戦(肩書きはいずれも当時)で、▲代えて△5一金としていました。以下▲1三歩△同香▲1二角△3三桂▲2一角成△4一金(参考図)と進みましたが、この端攻めは本譜でも決行することができます。後手は5二に金を上がったので前例の受けが利きませんが、永瀬叡王がどう対応するのか注目されます。

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本シリーズの第7局で、タイトル戦番勝負における合計手数の最長記録を2手更新しました。それまでは、1982年に行われた第40期名人戦七番勝負の中原誠名人-加藤一二三十段(肩書はいずれも当時)戦の1230手が最長記録でした。そうなると、本局は1手指すごとに記録が更新し続けられることになります。

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両者の対戦成績は、永瀬叡王6勝、豊島竜王4勝(2持将棋)です。
特に、本シリーズの第2局~第4局の手数が目を引きます(画像はクリックで拡大できます)。

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豊島竜王が序盤早々に▲3五歩と仕掛けて、午前中からのっぴきならない局面になりました。前例は、わずか4局。そのうち1局は永瀬叡王が後手番を持って経験しています。ただし、結果は先手が勝っているので、いずれ後手側から変化すると思われます。

A7301713(記録係の齊藤優希三段が駒を磨いて準備をしていた)

A7301737(9時47分、挑戦者・豊島将之竜王が先に入室した)A7301742

A7301747(永瀬拓矢叡王は9時49分に姿を見せた)

A7301741(永瀬叡王のお盆)

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2020年9月 5日 (土)

両対局者は15時30分頃に現地入りし、16時55分から対局検分が行われました。

A7301646_2 (16時50分、永瀬叡王が先に入室。5分後に豊島竜王も姿を見せた)

A7301648_2 (互いに駒の感触を確かめる)

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A7301662_2 (盤は陣屋所蔵の逸品で、駒は叡王戦専用の一字駒が使用されることになった)A7301671_2 (検分は17時に終了した)

本日のブログ更新は以上となります。明日10時からの対局をお楽しみください。

本局の対局場となる陣屋は、1918年(大正7年)に創業され、今年で102年を迎える老舗旅館です。新宿から小田急線で約1時間、最寄り駅の鶴巻温泉北口からは徒歩4分の距離にあります。これまで行われてきた将棋・囲碁のタイトル戦は300回を超えており、幾多の名勝負が繰り広げられてきました。叡王戦の舞台となるのは、本局が初めてです。
また、王座も保持する永瀬叡王は、つい3日前に第68期王座戦五番勝負第1局を同地で戦ったばかりです。

2018年には一部施設の改装工事が行われ、10月にレストランの「賑わい亭」、11月に大浴場がリニューアルオープンしました。それに伴い、大浴場に隣接する休憩スペースも新しく生まれ変わっています。
また、同年6月には第2回日本サービス大賞「総務大臣賞」を受賞しています。
日本サービス大賞は、多種多様なサービスを共通の尺度で評価し、優れたサービスを表彰する制度。旅館経営者自らが開発したクラウド型旅館管理システムを活用し、業務の効率化に成功したことが選考理由です。

現在はGoToトラベルキャンペーンを実施しており、すべての宿泊プランが対象になるとのことです。

【鶴巻温泉 元湯陣屋】
https://www.jinya-inn.com/index.php/topic/home_ja
【陣屋コネクト】
https://www.jinya-connect.com/
【第2回日本サービス大賞「総務大臣賞」を受賞しました!】
https://www.jinya-inn.com/databox/data.php/topics_20181127_ja/code

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