両対局者からの挨拶後に、小林忠・岡田美術館館長より記念品贈呈が行われました。
西山朋佳女王・女流王将
「歴史と格式ある女流名人戦に出場できて光栄に思います。明日から五番勝負が始まります。新鮮な気持ちもあるのですが、自分らしさを求めて、精いっぱい頑張りたいと思います」
伊藤沙恵女流名人
「今年も女流名人戦を戦うことができてうれしく思います。今回は女流名人という立場ですが、西山女流二冠は実績ではるか上をいく方ですので、チャレンジャーの気持ちで持てる力を出しきって、ぶつかっていけたら。熱い番勝負にできるよう精いっぱい頑張ります」
【記念品贈呈】
小林忠・岡田美術館館長
「岡田美術館は2013年に開館して今年で10周年、女流名人戦は来年で50周年になります。伝統のある女流名人戦の第1局を岡田美術館・開化亭で開かせていただいて光栄です。明日はよい対局になりますよう、お祈りしております」
(明日からの健闘を誓って、エア・グータッチ)
本日の更新は以上で終了となります。明日の対局開始は9時30分です。お楽しみに。
(紋蛇、書き起こし=牛蒡)
18時30分より開幕式が行われました。その模様をお送りします。
【主催者挨拶】
依田裕彦・報知新聞社 代表取締役社長
「前期で初めて栄冠を手にした伊藤沙恵女流名人、初参戦で五番勝負に出場される西山朋佳女流二冠。今期の五番勝負はフレッシュな対局になりました。女流名人戦に新たな歴史の1ページ、新たな彩りが加わるということで期待しております」
【主催者挨拶】
清水市代女流七段・日本将棋連盟常務理事
「対局者の二人の強い思いを感じています。伊藤沙恵女流名人は初の防衛戦、西山朋佳女流二冠は女流名人に初挑戦。初物尽くしのタイトル戦です。どのような対局になるか、とても楽しみにしています」
【ゲスト挨拶】
佐久間孝・両国将棋センター、両国将棋学術会
「伊藤女流名人と西山女流二冠には、指導対局やイベントで大変お世話になっています。穏やかな笑顔と優しい話し方が共通点のお二人を応援にまいりました。記憶と記録に残る名人戦になってほしいと思います」
(紋蛇、書き起こし=牛蒡)
伊藤沙恵女流名人に西山朋佳女王・女流王将が挑戦する、第49期岡田美術館杯女流名人戦五番勝負が開幕します。
伊藤女流名人は前期に里見香奈の女流名人連覇を12で止めて、9回目のタイトル挑戦で初戴冠を果たしました。今期は初防衛戦となります。西山女王・女流王将は女流名人戦初参加にして、挑戦権を得ました。女流名人の初獲得と三冠復帰を目指す戦いです。
これまでの対戦成績は伊藤3勝、西山10勝(両者が奨励会時代を含む)。タイトル戦で戦うのは、2021年の第14期マイナビ女子オープン五番勝負(西山がフルセットで防衛)に続いて2回目です。直近の対局は昨年9月の第30期大山名人杯倉敷藤花戦で、西山女王・女流王将が制しました。
第1局は1月15日(日)に神奈川県箱根町「岡田美術館 開化亭」で行われます。対局開始は9時30分、持ち時間は各3時間、昼食休憩は12時から13時。開幕局なので、先後は振り駒で決めます。立会人は塚田泰明九段、記録係は安食総子女流初段。スポーツ報知の観戦記は松本哲平さんが執筆します。
本局はYouTubeで対局開始から動画中継されます。13時30分から始まる大盤解説は、高見泰地七段と中村真梨花女流三段が担当します。
【日本将棋連盟公式YouTubeチャンネル】
https://www.youtube.com/@ShogiAssociation/featured
本局の中継は棋譜・コメント入力を牛蒡、ブログを紋蛇がお送りします。よろしくお願いいたします。
【報知新聞社】
https://hochi.news/shogi-igo/
【株式会社ユニバーサルエンターテインメント】
https://www.universal-777.com/corporate/culture/shogi/
【岡田美術館】
https://www.okada-museum.com/
【第1局の棋譜中継ページ】
http://live.shogi.or.jp/joryumeijin/kifu/49/joryumeijin202301150101.html
感想戦終了後、伊藤沙恵新女流名人への記者会見が行われました。
―― 改めまして、初タイトル獲得の思いをうかがえますでしょうか。
伊藤 実感が湧かないですね。すごく長かったような気がします。
―― 長かったというのは歳月やそれとも何度も何度もチャレンジというところもあるかと思うのですが、そのあたりについてはいかがでしょうか。
伊藤 苦しかったんで、タイトル戦に挑戦できるっていうことはそんなに何度も経験できることではないのでうれしいんですけど、やっぱり負けたりするときついので、今回は結果を残せてよかったなあと思います。
―― 支えてくださっているお母様から戦前に、「沙恵のまだ見ぬ景色を見てみたいという強い願いがかないますようにと切望しています」とのメッセージをいただきました。そのお言葉を受けて、どのような思いでいらっしゃいますでしょうか。
伊藤 ずっと応援してくれて、サポートもしてくれて、すごく感謝しています。ようやく親孝行できたなって思いますね。
―― 第3局で、ちょっと完敗という内容だったかと思うんですが、そのあと公式戦で結果も伴わないという状況で本局を迎えられたと思うのですが、その間、心の揺れ動きなどはなかったのでしょうか。
伊藤 いや、結構ありました。3局目は見せ場も作れなくて早い段階で形勢を悪くしてしまいましたし、2月は勝っていなくて、正直、これじゃーダメだなと感じだったんですけど、でも、師匠から言葉をもらって、すごく勇気づけられたんですよね。やっぱり応援してくれている人の気持ちに応えたいなというのはずっとあったので、気持ちを切らさずに頑張りたいなと思いました。
―― その師匠の屋敷伸之九段からうかがっていまして、「大変なことが長く続いて、多かったと。ただ、それは無駄ではなかった。何故ならその経験が生きるからだ。結果というものが出ればさらなる修行というものは続けられるものだ。里見さんや西山さんはまだまだ高い壁で、逸れに迫る活躍をしてほしい。おめでとう」という言葉をいただきました。その師匠に対して、存在というか、お言葉をうかがえますでしょうか。
伊藤 (涙をながしながら)めちゃくちゃありがたいです。本当に感謝しかないですね。お会いするといつも通りなんですけど、応援してくれているのも分かりますし。お言葉もありがたいですし。お会いしてもいつも通りに接してくれるのもありがたいですし、すごく大きい存在なので。1つ結果を残せて、少しは恩返しできたのかなと思います。
(最後はマスクを外しての撮影。記者のリクエストに応え、一冠のポーズを取った)
以上で第48期五番勝負第4局の中継を終了いたします。第48期女流名人戦の中継をご観戦いただきましてありがとうございました。第49期もどうぞお楽しみに。
(潤)