2021年8月 2日 (月)

検分のあと、両者に前日インタビューが行われました。

【豊島叡王の談話】
――常磐ホテルは2年前の竜王戦以来ですね。対局室を検分されて感想はいかがでしょうか。
豊島 本当に素晴らしい部屋を用意していただいて、明日も落ち着いて指せそうという感じです。 ――0勝1敗で迎える第2局、今度は先手番です。どう戦うか、お話をうかがえればと思います。
豊島 第1局は序盤でやや失敗してしまったのと、中終盤で何かありそうかなという感触は合っていたんですが、具体的な組み合わせが発見できなかったところがありましたので、そういうところを修正していけたらと思います。
――藤井王位・棋聖には今まで有利な星取りでしたが、直近は3連敗です。星で追いつかれているといった意識はありますか。
豊島 以前から指していて手ごわい相手だなと思っていましたし、最近の将棋もチャンスは作れていてこちらがうまく指せていない形なので、相手がどうこうというよりも、自分がうまく指せるようになっていけたらという感じでやっています。

【藤井王位・棋聖の談話】
――こちらでの対局は初めてですが、対局室を検分されて感想はいかがでしょうか。
藤井 こちらの常磐ホテルには2年前の竜王戦で見学の際に1回うかがったことがあるのですが、今回は対局者として来ることができて非常にうれしく思っています。対局室には初めてうかがったのですが、ここから見えるお庭の景色が非常に素晴らしく、よい対局室だなと思います。
――その頃はあまり暑くない頃でセミも鳴いていなかったと思うのですが、今は真夏の対局らしさを感じていますか。
藤井 暑いのは苦手なんですけど、対局室は冷房を利かせていただいているので、明日も快適に臨めると思います。
――先勝で迎える第2局です。重要性はどのように捉えていますか。
藤井 こちらは挑戦者という立場なので、スコアのことは気にせず、気負わず臨めればと思います。
――後手番ということも含めて、第2局に懸ける思いを教えてください。
藤井 豊島叡王は序中盤の精度がとても高いので、それにまずこちらが対応できるかがひとつのポイントになるかなと思っています。そのうえで最後までどちらが勝つかわからない勝負にできればと思います。
――豊島叡王には3連勝中ですが、星の上で追いついているなという感覚はありますか。
藤井 内容的にはどの将棋も押されている場面があったので、意識が変わったということはないんですけど。そういうことも含めて、あまり意識せずにやっていければと思っています。

(書き起こし=文)

17時から検分が行われました。
検分では、盤・駒の具合や、対局室の明るさ、室温等の環境が対局に支障がないか確認します。

Img_6536 検分用に2種の駒が用意された。

Img_6543 豊島叡王。

Img_6551 挑戦者 藤井王位・棋聖。

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Img_6581 両対局者とも、どちらの駒でも問題なしとのことで、使用駒は見届け人が選ぶことに。駒は明日、紹介します。

Img_6598 検分はつつがなく5分ほどで終えられた。

関係者一行は16時過ぎに現地に到着し、常盤ホテルの庭で記念撮影を行った。

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Img_6529 叡王戦特有のシステム「見届け人」と一緒に。
叡王戦見届け人についてはこちらを参照。

2021年8月 1日 (日)

豊島将之叡王に藤井聡太王位・棋聖が挑戦する第6期叡王戦五番勝負は、藤井王位・棋聖が先勝して第2局を迎えました。対局は8月3日(火)に山梨県甲府市「常磐ホテル」で行われます。

対局は9時開始。持ち時間は各4時間(チェスクロック使用)、使い切ると1手60秒未満で着手します。昼食休憩は12時~13時。第2局の先手番は豊島叡王です。
本局の立会人は青野照市九段、記録係は福田晴紀三段(中川大輔八段門下)が務めます。現地大盤解説会(事前申込制)の解説は三浦弘行九段、聞き手は山田久美女流四段が出演します。


【株式会社不二家】(主催)
https://www.fujiya-peko.co.jp/
【不二家 叡王戦特設サイト】
https://www.fujiya-peko.co.jp/eiou/

【ひふみ】(特別協賛)
https://hifumi.rheos.jp/

【株式会社SBI証券】(特別協賛)
https://www.sbisec.co.jp/

【常磐ホテル】(対局場)
https://tokiwa-hotel.co.jp/

本局の中継は棋譜コメントを文、本ブログを八雲が担当します。どうぞよろしくお願いいたします。

2021年7月25日 (日)

A7306542(終局直後はインタビューが行われた)

A7306547【勝った藤井王位・棋聖】
――本局を振り返って。
藤井 早い段階で飛車角交換になって、判断が難しかったんですけど、打った角が働く前に急な展開になってしまったので、そのあたりが自信ないと思って指していました。

――△5五銀直(48手目)のあたりはいかがですか。
藤井 すぐに動いてこられるのを軽視してしまって、こちらの形が整う前に戦いが起きてしまったので、少し苦しくしてしまったのかなと思っていました。

――そのあと▲3四角(53手目)と打ったあたりについては。
藤井 なんとか攻め合いにできるかなと思っていました。

――よくなったと思ったところは。
藤井 (75手目に)飛車を取れて、攻めていける形になったところです。

――次局への抱負をお願いします。
藤井 第2局、第3局と(短い期間で)続けてあるので、しっかり状態を整えて臨めればと思います。

A7306563_2【敗れた豊島叡王】
――本局を振り返って
豊島 出だしは2歩損になってしまったので、あまり自信がなかったんですけど、そのあと▲3四角(53手目)で対応が分からなかったです。指せる順がありそうな気がしたんですけれど。本譜は分からないまま指してしまって、▲8五金(71手目)と打たれてダメになってしまった気がします。

――次局の抱負をお願いします。
豊島 またすぐあるので、しっかり準備して頑張りたいと思います。

20210725a図の局面で豊島叡王が投了しました。終局時刻は18時11分。消費時間は▲藤井聡4時間0分、△豊島4時間0分。

第1局は藤井王位・棋聖が制しました。第2局は8月3日(火)に山梨県甲府市 「常磐ホテル」で行われます。

(紋蛇)

20210725_70まだまだ難しい中盤戦が続くかと思いきや、一気に終盤戦へとなだれ込んで図の局面を迎えています。現地控室の検討陣から「後手がつらい」「終局が近づいてきた」という声が上がりました。いつの間にか挑戦者の藤井王位・棋聖が抜け出したようです。

A7306134 (だいこく様。重さは約30トンで、石造りとしては日本一のだいこく像とのこと)

A7306137_2 (えびす様。海の仲間であるイルカ、タイ、トビウオに守られて大海原を渡る姿を造形したとのこと)

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A7306131(獅子山。谷底へ突き落とした親獅子の2頭と子獅子がいる構図だ。千代田区指定有形民俗文化財に登録されている)

第1局の対局場である「神田明神」は、東京都千代田区外神田に鎮座する神社です。正式名称は「神田神社」。2年に1度、日本三大祭りの一つとして数えられる「神田祭」が開催されます。本来ならば今年5月に行われるはずでしたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて主な行事は中止となり、神事のみが執り行われました。

【神田明神とは|江戸総鎮守 神田明神】
https://www.kandamyoujin.or.jp/profile/

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A7305029(本殿)

A7305030(本殿にも熱中症対策でミストシャワーが設置されていた)

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A7305028結婚式場がある明神会館。昨日は叡王戦の記者会見場として使用された)

A7305015(コロナ対策で竜の口から流れ出る水は止められ、奥の流水式のみになっていた)

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