検分のあと、両者に前日インタビューが行われました。
【豊島叡王の談話】
――常磐ホテルは2年前の竜王戦以来ですね。対局室を検分されて感想はいかがでしょうか。
豊島 本当に素晴らしい部屋を用意していただいて、明日も落ち着いて指せそうという感じです。 ――0勝1敗で迎える第2局、今度は先手番です。どう戦うか、お話をうかがえればと思います。
豊島 第1局は序盤でやや失敗してしまったのと、中終盤で何かありそうかなという感触は合っていたんですが、具体的な組み合わせが発見できなかったところがありましたので、そういうところを修正していけたらと思います。
――藤井王位・棋聖には今まで有利な星取りでしたが、直近は3連敗です。星で追いつかれているといった意識はありますか。
豊島 以前から指していて手ごわい相手だなと思っていましたし、最近の将棋もチャンスは作れていてこちらがうまく指せていない形なので、相手がどうこうというよりも、自分がうまく指せるようになっていけたらという感じでやっています。
【藤井王位・棋聖の談話】
――こちらでの対局は初めてですが、対局室を検分されて感想はいかがでしょうか。
藤井 こちらの常磐ホテルには2年前の竜王戦で見学の際に1回うかがったことがあるのですが、今回は対局者として来ることができて非常にうれしく思っています。対局室には初めてうかがったのですが、ここから見えるお庭の景色が非常に素晴らしく、よい対局室だなと思います。
――その頃はあまり暑くない頃でセミも鳴いていなかったと思うのですが、今は真夏の対局らしさを感じていますか。
藤井 暑いのは苦手なんですけど、対局室は冷房を利かせていただいているので、明日も快適に臨めると思います。
――先勝で迎える第2局です。重要性はどのように捉えていますか。
藤井 こちらは挑戦者という立場なので、スコアのことは気にせず、気負わず臨めればと思います。
――後手番ということも含めて、第2局に懸ける思いを教えてください。
藤井 豊島叡王は序中盤の精度がとても高いので、それにまずこちらが対応できるかがひとつのポイントになるかなと思っています。そのうえで最後までどちらが勝つかわからない勝負にできればと思います。
――豊島叡王には3連勝中ですが、星の上で追いついているなという感覚はありますか。
藤井 内容的にはどの将棋も押されている場面があったので、意識が変わったということはないんですけど。そういうことも含めて、あまり意識せずにやっていければと思っています。
(書き起こし=文)