2023年3月16日 (木)

藤井聡太叡王に菅井竜也八段が挑戦する第8期叡王戦五番勝負の日程と対局場は以下の通りです。

第1局 4月11日(火)東京都千代田区「江戸総鎮守 神田明神」
第2局 4月23日(日)名古屋市「名古屋東急ホテル」
第3局 5月6日(土)名古屋市「か茂免」
第4局 5月28日(日)岩手県宮古市「浄土ヶ浜パークホテル」
第5局 6月17日(土)千葉県柏市「柏の葉カンファレンスセンター」

Dsc_6892001 (終局直後の様子)

Dsc_6906 (しばらく口頭で感想戦をしていた)

Dsc_6897 (終局から数分、緊張はまだ解けない)

Dsc_6901 (菅井八段は第4期挑戦者決定三番勝負の雪辱も果たして、叡王戦五番勝負に初登場となる)

Dsc_6913 (敗れた永瀬王座は、第5期以来の番勝負登場は成らなかった)

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藤井聡太叡王への挑戦を目指す第8期叡王戦挑戦者決定戦の▲永瀬拓矢王座-△菅井竜也八段戦は、17時1分に132手で菅井八段の勝ちとなりました。消費時間はともに3時間0分(チェスクロック使用)。菅井八段が藤井叡王への挑戦権を得ました。藤井叡王にとって、振り飛車党とのタイトル戦は初めてです。
第1局は4月11日に東京都千代田区「江戸総鎮守 神田明神」で行われます。

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図は106手目△1四歩の局面。忙しい終盤戦で、菅井八段は玉と反対の端にいる角を取りにいきました。これが戦力を補充する冷静な手段。実戦は△1四歩▲5一桂成△1五歩▲3九飛△5五歩▲同金△2八角と進み、持ち駒にした角で飛車金両取りをかけて後手優勢を確立しました。

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上図は昼食休憩の局面。



Eiou202303160101_63そして、下図は63手目▲9九飛の局面。種も仕掛けもない昼食休憩の局面から20手ほどで永瀬王座は地下鉄飛車を実現させました。遠大な構想です。ただし、△1六歩▲同歩△同香▲同香△4五歩の攻めを見せられて、先手は忙しい意味もあります。菅井八段は△6二角と打ちました。9筋をしっかり受けて、△1六歩の攻めを楽しみにしています。

Dsc_6883 (地下鉄飛車で局面打開を図る永瀬王座)

12時40分になり、対局が再開されました。再開後、永瀬王座は▲4八金と指しました。

Dsc_6871 (首を傾げて考える永瀬王座)

Dsc_6870 (対局再開前でも菅井八段はこの表情)

Dsc_6886 (対局再開後の一手は▲4八金だった)

Dsc_6888 (43手目▲4八金が指された盤面)

Eiou202303160101_42 図の42手目△3二金の局面で永瀬王座が13分使って昼食休憩に入りました。消費時間は▲永瀬50分、△菅井1時間9分。対局は12時40分再開。対局者の昼食は「すき焼あったか重」と「【折詰】あかね」の2種類が選べて、ともに「すき焼あったか重」を選びました。

Dsc_6842 (対局者に2種類のお弁当が用意されている)

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上図は4手目△9四歩まで。時折見られる趣向ですが、菅井八段は初めての採用でした。▲2五歩なら一例として△9五歩▲4八銀△8八角成▲同銀△2二銀から△3三銀~△2二飛のダイレクト向かい飛車が考えられました。
実戦は永瀬王座が▲9六歩と受けたため、△5四歩▲2五歩△5二飛と菅井八段はゴキゲン中飛車に。



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下図は20手目△5六歩の局面。菅井八段のゴキゲン中飛車に永瀬王座は超速と呼ばれる▲3七銀戦法を採用しました。2009年末に出てから十数年にわたってゴキゲン中飛車対策の主流戦法です。
菅井八段は先手から攻められる前に△5六歩と軽く動きました。

Dsc_6805 (対局前の永瀬王座)

Dsc_6812 (対局前の菅井八段)

20230316_eiousen2両対局者の対戦成績は、永瀬7勝、菅井3勝。振り飛車党の菅井八段が居飛車を指していた時期もあり、2015年の対戦では相掛かりや矢倉戦になりました。
叡王戦では第1期の六段予選、第4期の挑戦者決定三番勝負(第4期と第5期は挑戦者決定戦を三番勝負で争う)で対戦。第1期は永瀬王座が勝ち、第4期も永瀬王座が2勝1敗で制しました。第4期に挑戦権を得た永瀬王座は、七番勝負で当時の高見泰地叡王に4勝0敗で勝って、初タイトル獲得につなげています。
また、長手数の対局が多いことも特徴的です。近年の公式戦の平均手数は110手前後。それ以下の手数で終局した将棋は1局しかありません。10局の平均手数はなんと152.7手です。第4期の挑戦者決定三番勝負は、すべて150手を超えています。