第8期五番勝負第3局 Feed

2023年5月 6日 (土)

2023050673図は16時43分の局面。藤井叡王が▲6四銀と7五の銀を突っ込んでいった局面です。勝又七段と今井女流1級による継ぎ盤は△8六金▲同歩の局面で何手か候補が調べられて止まっていますが、勝又七段は「先手を持って自信のない局面」との見解を寄せています。実戦も▲8六同歩まで進みましたが、△4三飛や△6六歩などをはじめ後手に攻防において指したい手が多く、「これは藤井叡王のほうが千日手を狙いにいく展開になっていると思います。検討をしていても千日手が結論になる進行が何度か出ていて、結構ありうる未来のように思います」との予想図を述べました。

Img_2248_2(藤井叡王は局面をどう見ているか)

2023050662図から藤井叡王は▲3五歩と3筋を突き出しました。勝又七段が「▲3五歩?意味は?」とすぐに反応すると、佐藤康九段は「△3五同銀に▲6五歩と突こうということでしょうか」と示しました。杉本昌八段と今井女流1級による継ぎ盤検討でも▲6五歩の局面まで進められており、杉本昌八段は「△3五同銀の局面を見れば▲6五歩は浮かぶんですよ。ただ、△7四金の局面で▲3五歩と突いて△同銀に▲6五歩という創りはなかなか浮かばないです」との感想を述べました。菅井八段は▲3五歩と突かれたところで考えており、▲6五歩まで進むのかどうか、注目されています。なお、▲6五歩の局面を杉本昌八段は先手持ち、佐藤康九段は後手持ちの見解を示しています。さらにその後、佐藤康九段は上図から△3五同歩がまさるのではないかと見て検討しています。

Img_2521(佐藤康九段と勝又七段による検討)

Img_2523(杉本昌八段と今井女流1級による継ぎ盤でも同一の局面が並んでいた)

Img_1812(金の鯱鉾。昨日5月5日に撮影したもので、家族連れのお子様からは「鯉のぼりだー」の声も聞かれた)
Img_1788_2(清正公石曳きの像)

関ケ原の合戦後、徳川家康に接近し名古屋城の天下普請に協力。石垣工事で大活躍したのが加藤清正公でした。

Img_1801(草木の茂る内堀で、鹿が食事を取っていた)

Img_1835(御殿椿と呼ばれる白い椿が咲いていた)Img_1843

Img_1859(名古屋城を後にした)

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15時になって両対局者の控室に午後のおやつが運ばれました。藤井聡叡王は「ペコパフ(メロン)」、菅井八段は「国産フルーツのプリンショート」を注文。また、飲み物に藤井聡叡王は「ふじすりおろしアップルジュース」。菅井八段は「冷たい緑茶とふじすりおろしアップルジュース」を注文しています。

Img_2504_2 藤井聡叡王が注文した「ペコパフ(メロン)」と「ふじすりおろしアップルジュース」

Img_2506(「ペコパフ(メロン)」はパフケーキに静岡県産クラウンメロンピューレを使ったカスタードホイップクリームがたっぷり詰まっている)

Img_2512(菅井八段が注文した「国産フルーツのプリンショート」と「「冷たい緑茶、ふじすりおろしアップルジュース」

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(「国産フルーツのプリンショート」はなめらかな食感の焼きプリンとフルーツ入りのショートケーキを組み合わせた)

Img_2509(茶摘み緑茶は蓋に茶葉が詰め込まれている)

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図は14時38分頃の局面。藤井叡王が4六から4九に飛車を引いたところです。控室では▲5五歩や▲3六歩などが検討されていたところで、この▲4九飛を見てざわつきました。佐藤康九段は「仕切り直しという感じで、落ち着いていますね」との印象を述べています。

Img_2477(谷川十七世名人、佐藤康九段、杉本昌八段、勝又七段による検討風景)

14時、現地から車で10分ほど離れた名古屋東急ホテルにおいて、大盤解説会が開始されました。

Img_2471(名古屋東急ホテル。今期の第2局が開かれた場所で、本局では大盤解説会会場として用いられている)

Img_2468(14時、大盤解説会が始まった。解説は松尾八段、聞き手は貞升女流二段のコンビ)

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Img_2432(会場は開始の段階で大盛況だった)

名古屋城はか茂免から25分ほど北西に歩いたところに位置します。

Img_1733(か茂免から20分ほどで愛知県庁が見えた)

Img_1739(その隣には名古屋市役所が。か茂免や県庁同様、モダンな建物だった)

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Img_1757(名古屋城へのスタートと地点。この先はGwということもあって、多くの出店が人で賑わっていた)

Img_1783(見えてきたのは名古屋城……ではなく、重要文化財である「東南隅櫓(とうなんすみやぐら)」)

Img_1786(東南隅櫓を抜け、ようやく金の鯱鉾が見えた)

菅井八段は今期の叡王戦五番勝負が3度目のタイトル戦登場となります。これまでは第58期王位戦七番勝負で羽生善治王位(現九段)に挑戦し、4勝1敗で王位を奪取。また、第59期では豊島将之棋聖(現九段)の挑戦を受け、3勝4敗で失冠となりました。なお、第3局にかぎると、第58期は敗戦、第59期は勝利と、シリーズの勝敗とは逆の結果が出ています。本局、そして今期五番勝負の菅井八段はどのような結果となるでしょうか。

Img_2243(菅井八段は第58期の王位以来、およそ4年9ヵ月ぶりとなるタイトルの座を狙う)

13時、控室を杉本昌隆八段、今井絢女流1級の師弟が来訪しました。ともに地元名古屋市出身在住で、杉本昌八段は藤井聡叡王の師匠、今井女流1級は妹弟子という関係です。

Img_2416(来訪した杉本昌隆八段と今井絢女流1級の師弟。杉本昌八段は第60期王位戦第1局のこの地で立会人を務めた)

Img_2421(今井女流1級はすぐに勝又七段と継ぎ盤検討を始めた)

Img_2397(12時55分、藤井聡叡王が対局室に戻った。菅井八段は12時14分に戻ってきたが、少し前に席を外していた)

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Img_2409(12時57分、菅井八段も入室した)

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Img_2410(13時になって対局再開。菅井八段は少し時間を置いてから△3三角と角を逃げた)

Img_2412(着手を見た藤井聡叡王は扇子を握りしめて前傾姿勢になった)