第6期五番勝負第1局 Feed

2021年7月24日 (土)

本局は「ABEMA」の将棋チャンネルでライブ中継されます。

放送日時:7月25日(日)8時30分~23時
解説者:三浦弘行九段、長谷部浩平四段
聞き手:伊藤沙恵女流三段、山根ことみ女流二段

【ABEMA】
https://abema.tv/channels/shogi/slots/Ep6mh5ukC9nZQb

また、ABEMAでは両対局者をそれぞれの角度から映したマルチアングル機能つきのチャンネルもあります。そのほか、現地を訪れている棋士・女流棋士によるスペシャル企画も実施予定です。

【ABEMA マルチアングル放送(有料)】
https://abema.tv/payperview/8PgdzGcUngopFy

放送日時:7月25日(日)8時30分~

本日の更新は以上となります。明日9時からの対局をお楽しみに。

A7305702_2【対局者抱負】
豊島将之叡王

第6期叡王戦の開催にご尽力いただきました皆様に厚く御礼申し上げます。特に不二家様には、棋戦が存続する危機だったところを助けていただきまして、本当に感謝しております。 今回の叡王戦は藤井王位・棋聖とのシリーズになりまして、世間の注目度が非常に高いのかなと思います。自分なりに精一杯指して、よい将棋になるように頑張ります。A7305711【対局者抱負】
藤井聡太王位・棋聖

関係各位の皆様に厚く御礼申し上げます。今回、叡王戦の挑戦者として五番勝負に出場することができました。豊島叡王と対戦することで、自分にとって成長できる機会ですし、非常に注目していただけるシリーズになるかと思います。挑戦者として番勝負を盛り上げられるように頑張っていきます。A7305722 立会人・島朗九段
お二人は長きに渡ってタイトル戦で戦っていくと思うんですけど、この新しい叡王戦、素晴らしい対局場はお二人にとっても忘れられない将棋になるんじゃないかなと思います。

18時からは第1局の開幕式が行われました。

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A7305604【主催者挨拶】
河村宣行・不二家代表取締役社長

私ども不二家にできるということで、ペコちゃんともにお菓子で棋士を応援させていただこうということで、ご提供させていただいております。「ペコちゃんのお菓子ボックス」というものを作りまして、そのなかにお菓子を入れています。明日からの対局では10時、15時に洋菓子をご提供させていただきます。あらかじめ豊島叡王、藤井王位・棋聖に好みをお聞きしまして、それをお届けさせていただきます。ぜひ対局でお疲れになった頭脳を栄養補給していただいて、心身の癒しになればと思います。

A7305644【主催者挨拶】
佐藤康光・日本将棋連盟会長

豊島叡王、藤井王位・棋聖はともに令和を引っ張っていく代表が叡王戦五番勝負を戦います。このふたりは王位戦七番勝負も戦っていまして、合わせて十二番勝負です。私もダブルタイトル戦は2002年、2005年に経験があり、羽生九段と1週間続けて対局、行動をともにする経験を思い出しました。ずっと顔を合わせておりまして、不思議なところもあったのですが、戦える喜びも大きかったです。
私と羽生さん、豊島さんと藤井さんとの違いはですね、おふたりには「かみさん」がいないということです。しかし、神田明神は「かみさん」ではなく「神さま」がおられるということで、見守られながら素晴らしい内容の対局を期待したいと思います。

A7305665【特別協賛社挨拶】
藤野英人・レオス・キャピタルワークス代表取締役社長

父が将棋の大ファンでして、私も幼稚園の頃に手ほどきを受けていました。デパートの将棋祭りに出かけ、朝早くから晩まで将棋を指して楽しんでおりました。そこから成長し、就職して投資の仕事をし、将棋から離れていたんですけど、あることをきっかけに将棋を指すことになり、「HEROZ」(対局アプリ「将棋ウオーズ」の開発・運営を手掛ける)に投資し、将棋を再開するようになりました。そのご縁のつながりでスポンサーを務めるようになり、支えていく喜びがあるなと思っています。この1年間、ABEMAの動画中継でスポンサーの名前に「ひふみ」とあって、貢献している実感と将棋と叡王戦を支える楽しみがあり、ワクワクしてきました。神田明神さんの成功祈願で心が震えるような思いをし、叡王、挑戦者と同じ時間を過ごす幸福を感じております。A7305682

【第1局協賛社挨拶】
清水祥彦・神田神社宮司

神田明神は江戸最古の神社として、1300年の歴史を受け継いでまいりました。それは天下分け目の関ヶ原の合戦に際して家康公が必勝祈願をして大勝利を収めた縁起の良い神社として。また大黒様、恵比寿様の七福神、平将門公という関東の英雄をお祀りしています。江戸時代には大橋宗英が襲名したという逸話が伝えられています。またここは銭形平次のふるさとであります。おそらく江戸時代には武士や庶民が将棋を楽しむ憩いの場であっただろうと思います。また日本の電脳コンピューターの街、秋葉原の氏神様でもございます。叡王戦という新しい時代に向けて、将棋の決戦にふさわしい場所であると思っています。神道の世界には「中今」(なかいま)という言葉がございます。いま目の前のこの瞬間、最善の力を尽くすことができるかという意味が込められています。明日の第一局、おふたりが中今を尽くされまして、歴史に名を残す世紀の一戦を繰り広げていただきますことを心からご期待と祈りを申し上げております。
先ほど佐藤会長におっしゃっていただきましたが、神田明神は縁結びの神さまでもございます。お二人には明神様のお祓いをお受けいただいて、そういった幸せにもいつか恵まれることを重ねてお祈り申し上げます。

(書き起こし=紋蛇)

検分後は記者会見の場が設けられ、両対局者にインタビューが行われました。

A7305513 【豊島叡王】

――先日は兵庫県神戸市で王位戦第3局が行われ、対局が続いています。コンディションはいかがでしょう。
豊島 対局が続いていますけど、それほど疲れもなく、よい状態だと思います。

――藤井聡太王位・棋聖とはダブルタイトル戦です。
豊島 王位戦では負けが先行していますが、叡王戦は持ち時間も違いますし新たな気持ちで第1局に臨めればと思っています。

――同じ相手と連戦が続くことについてはどう考えていますか。
豊島 過去に藤井さん以外にも連戦する機会はあったので、そういう経験も生かしながら、非常に強敵なので、対戦することで自分も実力をつけていけると思いますし、一生懸命やっていきたいと思っています。

――今期からスポンサーが変更し、主催が株式会社不二家になりました。
豊島 第5期が終わって棋戦が存続するかの危機だったわけですが、主催として不二家様に助けていただいて感謝しています。対局のおやつも楽しみです。第5期は七番勝負でしたけど9局(千日手を1局と数えれば、10局)指して、棋戦がなくなってしまうと悲しいことなので、それを助けていただいたので、いい将棋を指して恩を返していければと思っています。

――藤井二冠と実際に王位戦で3局戦って、戦前と戦っての印象は変わりましたか。また叡王戦の意気込みを聞かせてください。
豊島 戦う前から大変な相手と思っていて、戦ってみて大きくイメージが変わったことはないです。第2、3局は有利な局面を作れながらもチャンスを生かせなかったので、自分がうまく指せていないのかなと。明日からの対局は王位戦に比べると非常に短いので、より決断よく指していけたらと思います。

――藤井二冠とたくさん指すことになります。同じ相手との連戦、また過密スケジュールのなかで、作戦面で息詰まりを感じることはありますか。
豊島 王位戦が始まる前に結構、準備しましたけど、それで完璧というわけではありません。戦いながら修正していく必要もあると思います。時間は対局で忙しくてあまりないんですけど、その限られた時間のなかで最善を尽くしていけたらと思います。

――王位戦は挑戦、叡王戦は防衛の立場です。盤に向かうなかで、意識の違いはあるのでしょうか。

豊島 そんなに気にせず指しています。

――王位戦は第3局と第4局に間が空き、叡王戦が第3局まで指されます。このシリーズは、どちらにも影響を与えるものでしょうか。

豊島 王位戦は1か月ぐらい休みで、その間に叡王戦が3局行われます。そこでの結果や内容で王位戦も変わってきますし、十二番勝負を左右する対局になると思います。

A7305569_2 【藤井王位・棋聖】

――豊島叡王と同じく、王位戦第3局からの連戦です。コンディションはどうですか。
藤井 自分としてはよい状態で叡王戦を迎えられたと思います。

――豊島叡王とのダブルタイトル戦についてはどう考えていますか。

藤井 王位戦は2日制、叡王戦はチェスクロック4時間と異なるので、それぞれ違う気持ちで臨めればと思っています。

――今期から主催が株式会社不二家に変わりました。
藤井 チョコレートのCMに出演させていただいたので、叡王戦は思い入れがある棋戦です。いままで将棋の棋戦は新聞社の主催が多かったですが、新しい形で支えていただけるのはありがたいことだと思っています。

――豊島叡王とは王位戦で3局戦いました。改めて印象が変わりましたか。また叡王戦の決意表明をお願いします。
藤井 豊島叡王とは王位戦で3局対戦していますけど、ここまで序中盤の精度で差をつけられてしまっているので、こちらが改善していければと思っています。叡王戦は王位戦と持ち時間が異なりますし、挑戦者という立場ですので、思い切りよく指していきたいですね。

――豊島叡王との連戦が続きます。どういうスタイルで臨みますか。
藤井 豊島叡王との対戦は貴重な機会ですし、戦型としても色々な形を試せると思っています。

――王位戦は防衛、叡王戦は挑戦する立場です。指し口に気持ちの変化は現れますか。
藤井 自分自身としてはどちらも挑戦者の気持ちで戦うのがいちばんいいのかなと思います。

――王位戦とは持ち時間が変わります。戦い方は変えますか。
藤井 作戦に関しては叡王と王位で分けることはないが、時間配分のペースは違ってくるでしょうか。中盤以降は叡王戦のほうがより決断力が求められてくるかなと思います。

――同じ瀬戸市出身で、テコンドーの山田美諭選手がオリンピックで3位決定戦に進出しています。
藤井 いま初めて知りました。同じ瀬戸市出身という事で、自分としては励みになることです。機会があれば見てみたいと思います。

――将棋は盤上の格闘技です。アスリートから刺激になるものはありますか。
藤井 将棋は比較的持ち時間が長いですが、スポーツは一瞬の集中力が問われるものだと思います。そういうところを見習って、緩まずに一瞬一瞬を大事にして集中力を持って指したいです。

――王位戦の第4局までに、叡王戦は第3局まで行われます。
藤井 しばらく叡王戦のほうに意識を向けていくことになるでしょう。王位戦はここまで3局戦って自分の課題が見えてきた部分も非常に多いので、それを叡王戦に生かせるように戦っていければと思っています。

――叡王戦には自身初の三冠が懸かっています。
藤井 番勝負の結果については気にせずに、自分の力をしっかり出せるようにと思います。豊島叡王との対戦は貴重な機会なので、それを自分の成長につなげられるようにしたいです。

(書き起こし=紋蛇)

16時30分頃、対局室の検分が行われました。
本局で使用される盤・駒は日本将棋連盟所蔵のもので、駒は大竹竹風作の錦旗書と菱湖書の2種類が用意されました。最終的に選ばれたのは錦旗書です。

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A7305425(豊島将之叡王)A7305434(藤井聡太王位・棋聖)

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A7305445(検分は5分ほどで終了した)

豊島将之叡王に藤井聡太王位・棋聖が挑戦する第6期叡王戦五番勝負がいよいよ開幕します。
第1局は7月25日(日)に東京都千代田区「江戸総鎮守 神田明神」で行われます。

対局開始は9時、持ち時間は各4時間(チェスクロック使用)。切れたら1手60秒未満の着手となります。昼食休憩は12時~13時。先後は振り駒で決定されます。
立会人は島朗九段、記録係は田中大貴三段(北島忠雄七段門下)がそれぞれ務めます。
なお、第1局の大盤解説会は開催されません。

【主催:株式会社不二家】
https://www.fujiya-peko.co.jp/eiou/

【特別協賛:ひふみ】
https://hifumi.rheos.jp/

【特別協賛:株式会社SBI証券】
https://www.sbisec.co.jp/

【第1局協賛:江戸総鎮守 神田明神】
https://www.kandamyoujin.or.jp/

本局の中継は棋譜コメントを紋蛇、本ブログを玉響が担当します。よろしくお願いいたします。