2024年5月 1日 (水)

前夜祭(5)

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(参加棋士による明日の見どころトークショー)

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(立会人の島朗九段)

野原未蘭女流初段(以下、野原)「それではよろしくお願いいたします。トークテーマが何点かございまして、最初に皆さんの名古屋での思い出などを。といっても杉本先生は……」
杉本昌隆八段(以下、杉本)「私は自分の家から歩いてきました。名古屋でタイトル戦というのは、ひと昔前は本当に少なかったと思います。でも、この数年ぐらいで、叡王戦では毎年のように行われるようになり、大盤解説会ではたくさんの方に来ていただけるようになりました。本当に地元の盛り上がり、熱いものを感じます」
島朗九段(以下、島)「元々、名古屋は普及指導員、指導者の数がとてつもなく多いです。やはり杉本さんのみならず、藤井叡王をはじめ、多くの優秀な指導者がいっぱいいらっしゃって、女流棋士もすごく手厚くて。東の石田(和雄九段)門下に匹敵するような。東海研修会も早い段階からできましたし、土壌が違いますよね」
杉本「今、思い出したのですが、第1期(1988年)の竜王戦が名古屋市内で行われまして、島先生が対局者としていらっしゃっていたと思うのですが(七番勝負第1局▲島朗六段-△米長邦雄九段)、私はプロになる前で、ビッグタイトルが行われることがうれしかった覚えがあります」
島 「若い佐々木さんにも是非、名古屋について」
佐々木勇気八段(以下、佐々木)「私は3日前に岡崎将棋まつりに行ってきました」
野原「ということは、愛知県といえば岡崎?」
佐々木「師匠が石田先生(岡崎市出身)なので、岡崎には毎年来ています」

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(ゲストとして来場、藤井聡太叡王の師匠・杉本昌隆八段)

野原「明日のおやつの予想はいかがですか?」
佐々木「今まで何を食べたか覚えていますか?」
野原「藤井叡王は第1局が抹茶のケーキ、第2局の名前が確か『まるでらいでんメロンなケーキ』でした」
島 「ショートケーキは王道でしょう」
野原「私は今回、目星をつけていまして、不二家の『厳選あんみつ』が4月26日から販売開始だったんですよ。これはきっと当たると思います」
佐々木「私は不二家さんのおやつと言えば、あの可愛らしいケーキ、えっと……」
杉本「『コロコロしばちゃん』でしたっけ?」
佐々木「杉本さん、詳しいですね」

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(大盤解説会に出演する佐々木勇気八段)

野原「対局の見どころなどをお聞きしたいのですが」
佐々木「藤井叡王は、そんなに緊張していないように見えました」
島 「藤井叡王はタイトル戦で追い込まれたことが1度しかないのかな(第6期叡王戦、対豊島将之叡王戦)。だから、すでに伊藤七段は挑戦者としての役目は十分果たしていると思いますね」
佐々木「戦型予想は自信があるんですよ。角換わり腰掛け銀」
野原「杉本先生は?」
杉本「角換わり腰掛け銀」
島 「僕は角換わりだけど、銀は腰掛けないと思います。後手の伊藤さんはあまり変化しないけれども」
杉本「藤井叡王は後手番のほうがすごく変化しますよね。先手番だとオーソドックスで」

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(大盤解説会の聞き手を務める野原未蘭女流初段が、ここでも進行役を果たした)

島 「これまでのタイトル戦とは少し違った戦い方というか、藤井叡王と伊藤七段は、これから何十番と色んな勝負をしていくでしょうから。伊藤七段が1局勝ったという事実はすごく重くて、0勝と1勝では大違いだと思いますね」
佐々木「第3局は本当に大きくて、藤井叡王から見ても落とせない一局だと思います。藤井叡王の先手勝率は90パーセント近くありますから。伊藤七段の立場で見ると、後手番でキツいけれども、とっておきの練りに練った作戦をぶつけて、それでうまくいったら流れはくると思いますよ」

(書き起こし=夏芽)