図は10手目△3三角の局面。普通は△7七角成と角交換するところです。この△3三角は▲同角成に△同金や△同桂で形が少し乱れますが、先手が▲7七角~▲3三同角成と角を2回動かして手損することに着目した意味があります。
藤井叡王がこの△3三角を指したのは公式戦では初めてです。3月の棋王戦第4局で、藤井叡王が角換わりを避ける作戦を使って話題になりましたが、本局でもやや変則的な手を指しました。
実戦は▲3三同角成△同金▲7七銀と進んでいます。▲3三同角成に△同桂とするのが佐藤康光九段好みですが、近年は△3三同金とする指し方が増えています。
(藤井叡王は公式戦では初めて使う作戦に出た)