図は23手目▲1五歩の局面。局面は藤井叡王が早繰り銀に出ています。▲4六歩~▲3八銀と構えた伊藤七段でしたが、そのあとに▲1六歩から▲1五歩と端の位を取る工夫を見せました。先手は腰掛け銀を目指すのが飛車の横利きを通す、6四銀の動きを牽制する、といった意味で対早繰り銀によく見かける指し方です。3八銀型のまま駒組みしているのが伊藤七段の工夫といえます。
▲1五歩の局面で伊藤七段はまだ15分も使っていません。藤井叡王が普段と違う作戦を使ってきましたが、伊藤七段の準備が抜かりないことがうかがえます。
(工夫の駒組みをする伊藤七段)