2023年4月23日 (日)
両対局者、大盤解説会場に
終局直後
(終局直後)
終局直後にインタビューが行われました。
――一局を振り返って
菅井 今日の将棋は中盤がとても難しかったかと思います。
――決断よく指していたが、予定の進行だったか
菅井 いえ、あまり研究していない形になってしまいました。
――勝ちを意識したのは?
菅井 ▲6五角(最終手)など本当に最後のほうですね。
――ここまで2局の総括と次局への意気込み
菅井 総括は省きますが、精一杯頑張りたいと思います。
――続いて藤井叡王、一局を振り返って
藤井 仕掛けていったのが無理筋で、うまく対応されて形勢を損ねてしまったかと感じています。
――時間を使いながらも積極的な指し手は予定だったのか
藤井 ▲8八飛(45手目)~▲6八角という対応が見えておらず、そう指されてみるとすでに収拾がつかなくなってしまったかなと思っていました。
――次局への意気込み
藤井 本局は早い段階でミスが出てしまったかと思うので、もっとしっかり読みの精度を高めて第3局以降に臨めればと思います。
第2局は挑戦者が制す
五番勝負第2局は、菅井八段が勝ちました。終局時刻は17時56分。消費時間は、▲菅井3時間33分、△藤井4時間0分(チェスクロック使用)。この結果、対戦成績はどちらも1勝1敗となりました。






















図は▲7三桂成と桂を取り、先手が駒得になったところ。藤井叡王はすでに秒読みに入り、1手60秒未満で指さなければなりません。



藤井叡王は1歩損の代償に、桂頭を狙いました。▲9五同歩と取らせ、△6四歩で1歩を持っての△9六歩を見せます。対して菅井八段は▲7七角と上がり、△6五歩には▲8四歩を用意しました。△8四同飛は▲同飛△同銀▲8三飛、△8四同銀は▲5五角がそれぞれあります。
藤井叡王は△6五歩と歩を取り、▲8四歩に△8五歩▲同飛△8四銀と進めました。残り時間は5分足らずとなる一方、菅井八段は1時間10分あまりを残しています。






昼食休憩前の上図から31分の考慮で△8六歩。さらに▲同歩△4二角と進んで藤井叡王は△7五銀~△8六銀を狙います。以下、昼食休憩を挟んで▲8八飛に△7五銀は48分の長考。対して▲6八角が△8六銀を防ぐ一手となりました。
先手は▲8五歩~▲8四歩~▲8三歩成と8筋を突破できれば成功です。本譜は△8二飛▲8五歩△8六歩▲9七桂△7四歩▲7六歩△6四銀▲8六飛で先手の1歩得となりました。後手はもう1手、△3一金が指せておらず、現地の棋士からは先手不満なしとの評判です。
