2020年6月22日 (月)

Dsc_9525(勝利した豊島竜王・名人がインタビューに答える)

【豊島竜王・名人のインタビュー】

――現在のお気持ちをお聞かせ下さい。
「長い対局でしたけど、無事に一局を終えることができてホッとしております」

――千日手局について
「始めのほうは考えていた将棋になりました。1回激しいことになったあと、駒組みになるのでいい勝負ぐらいなのかなという想定だったんですけど、そのあとちょっと悪い手を指して、以降はずっと苦しそうな感じだったので、千日手はしょうがないかなと。(千日手を打開された場合)まずい順があるかもしれないとは思っていました。

――指し直し局について
「打開が難しかったですけど、動くなら5筋かなと。そのあと▲2二角と打って受けづらい気はしたんですけど、ちょっとどうなっているか分からなかったですね。そのあと進んで結構、いけそうな気はしたんですけど」

――永瀬叡王が2回目の千日手も辞さないという雰囲気を醸し出していたように見えたんですけど、その辺りはいかがでしたでしょうか。
「時間が短い将棋の中、右玉で千日手を狙われて、(先手が)打開していく構想を練らないといけないので、嫌な将棋になってしまったなとは思ったんですけど」

――解説陣の間では2回目の千日手になった場合、タイミングによっては本日のうちにもう1局指し直しの可能性もあったという話しが出ました。そのあたりは意識されていましたか。
「(先手番なので)ちょっとぐらい無理でも動いていかないとしょうがないかなと。うまくいってるか分からないですけれども、打開していこうかなという感じでした」

――次局はどのような展開になると予想されますか。
「先手なので、ちょっと時間があるので作戦を練っていきたいと思います」

(インタビュー書き起こし=玉響)

Dsc_9533_2(最後はユーザーの質問に答えて、終了した)

以上で、第1局の中継を終了します。第2局は7月5日(日)に兵庫県豊岡市「城崎温泉 西村屋本館」で行われます。そちらもお楽しみに。

2020年6月21日 (日)

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叡王戦七番勝負第1局は豊島竜王・名人が勝ち、シリーズ成績を1勝0敗としました。

終局時刻は23時13分。消費時間は、▲豊島5時間0分、△永瀬5時間0分。

第2局は7月5日(日)に兵庫県豊岡市「城崎温泉 西村屋本館」で行われます。

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「嫌な手がきた。後手が盛り返してきたんじゃないか」と青野九段。△8四桂に豊島竜王・名人が手を止めています。△7六桂が受けにくく、先手も迫られやすくなりました。

Dsc_9464(優勢だった豊島竜王・名人だが、嫌みが出てきた。このまま押し切れるか)

Dsc_9242(上皇陛下が皇太子のときに今井荘を訪れ、将棋を指した。相手を務めるのは東宮御教育常時参与を務めた小泉信三氏)

Dsc_9222(前日に写真の戦型を豊島竜王・名人に尋ねると、「相掛かりですかね」と話していた。本日の午前中、青野九段も興味深そうに眺めていた)

85▲3八桂に△3七銀成なら、▲5五桂や▲4四飛△同金▲同角成で食いつけます。△6五銀は▲7七桂から銀を目標にしています。「堅い・攻めてる・切れない、か」と青野九段。豊島優勢です。

Dsc_9451(苦しい永瀬叡王。耐えられるか)

77▲6五歩で先手が戦線拡大に成功しました。△6五同歩は▲6四歩△同銀▲5四桂でシビレます。青野九段は「先手ペース」と話しており、豊島竜王・名人の攻めがかなりうるさいです。

打ち寄せる波は刻々と姿を変えていきます。遠くに見えるのは伊豆大島です。

「海と陸の接点はつねにとらえがたく、はっきりと境界線を引くことはできない」(『海辺』レイチェル ・カーソン 上遠恵子 (翻訳) 平凡社)

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