2015年12月13日 (日)

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図の△6二金から、山崎八段は一分将棋に入りました。郷田九段の残り時間は10分です。

控室では「山崎八段がよさそうだけれども、一分将棋で勝ち切るのも大変」と言われています。

ニコニコ生放送の画面に表示される将棋ソフト「Ponanza」(第1期電王戦で、この三番勝負の勝者との対局が決まっている)の形勢判断もほぼ互角を示しています。

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(検討する桐山九段と福崎九段)

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21時になろうとする頃、上図より▲5四金△同歩▲5三桂成(参考1図)が指摘されました。

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銀で中央を厚くしたところに攻めていく、しかも▲5四金で5三を空けてからの空成りで、非常に見えづらい手です。
△5三同玉は▲7一角の王手飛車取りがあり、△5三同銀は▲4一角(参考2図)が金取りと▲6三飛成の狙いがあります。

「▲5三桂成という手が成立していたら、妙手ですよ。人間は読まない」と先崎九段。

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しばらくして谷川九段が△5一桂▲3二角成△3一金(参考3図)という受けをひねり出しました。

Sankou13

「駒損しているわけではありませんから」と谷川九段。

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本譜は▲7五歩でした。▲5四金△同歩▲5三桂成は幻の妙手だったのか、それとも罠だったのか。現時点では結論が出ぬまま、局面が進みました。

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上図では決着が早いとも言われていましたが、△8七歩成▲同金△8四飛▲7八銀△8二飛(下図)と進んで「長い戦いになる」と言われ始めています。

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ここ数手は後手が得したと見られています。
桐山九段「後手はゆっくり指そうということですか」
福崎九段「『桂馬の高跳び』だけが残りますね」

先手は3七桂と6五桂が取られるまでに手を作りたい局面です。

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(谷川九段、東八段、先崎九段、桐山九段、福崎九段が1つの継ぎ盤を囲む。超・重量級の豪華検討陣だ)

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47手目▲7七桂の局面で定刻の18時になり、夕食休憩に入りました。ここまでの消費時間は▲郷田3時間13分、△山崎3時間45分(持ち時間各5時間、チェスクロック使用)。対局は19時に再開します。