21時になろうとする頃、上図より▲5四金△同歩▲5三桂成(参考1図)が指摘されました。
銀で中央を厚くしたところに攻めていく、しかも▲5四金で5三を空けてからの空成りで、非常に見えづらい手です。
△5三同玉は▲7一角の王手飛車取りがあり、△5三同銀は▲4一角(参考2図)が金取りと▲6三飛成の狙いがあります。
「▲5三桂成という手が成立していたら、妙手ですよ。人間は読まない」と先崎九段。
しばらくして谷川九段が△5一桂▲3二角成△3一金(参考3図)という受けをひねり出しました。
「駒損しているわけではありませんから」と谷川九段。
本譜は▲7五歩でした。▲5四金△同歩▲5三桂成は幻の妙手だったのか、それとも罠だったのか。現時点では結論が出ぬまま、局面が進みました。