
じりじりした我慢比べのような展開が続いていましたが、斎藤八段が驚きの一手を指しました。玉側の端歩を位に向かって突き出す▲9六歩(57手目)は俗に「地獄突き」と呼ばれる手で、思わずのけぞってしまいそうなインパクトがあります。狙いは△9六同歩に▲9二歩と馬の利きを生かして香を取ることですが、放置されて次に▲9五歩と取り込んでも、△9七歩や△9六歩といった返し技が生じてキズになっているため、損得勘定は難しいところ。控室では検討陣から驚きの声が上がり、大盤解説会では佐藤康九段が「決断の一手です。波紋を呼ぶ手になるかもしれません」と話していました。
