図は10時45分ごろの局面。先手の堅固な穴熊に対し、後手は薄い右玉で気を使う展開が予想され、検討では後手の指し手が難しいとされています。たとえば図から△3六歩▲4五桂△3七歩成▲7五歩。そこで△3八とは▲1八角と使われてしまいますし、△2七とは▲4六飛が角当たりになります。自然に進めるなら以下△7五同歩▲7四歩△4四歩▲7三歩成△同玉で変化図。
変化図から▲6五歩や▲5九金が有力。先手は穴熊の堅陣を維持しつつ、攻めの手作りにも成功しているため、ペースを握って戦えそうです。変化図を前に「達人じゃないと受からないような」と深浦九段。「後手はどう指すのでしょう」と松尾八段。最初の図に戻り、後手はどう指すか。終盤に突入する可能性も高く、伊藤七段は長考の気配です。