両対局者が決意表明を述べました。
(藤井聡太叡王の決意表明)
「皆さまこんばんは。今日こちらには先月新しく延伸開業しました北陸新幹線に敦賀から乗ってまいりまして、名古屋からだと乗り換えが増えてしまうんですけど、それでもこの加賀温泉がこれまでよりまたさらに近くなったような感じがしました。第1局を指していろいろ振り返りがあったり課題も見つかったりと感じていますので、それを踏まえてこれまでよりもよい内容の将棋にできるよう精一杯指していきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします」
(伊藤匠七段の決意表明)
「皆さまこんばんは。私は加賀市に訪れるのは初めてですが、やはり加賀といえば温泉かなということで、今日は温泉に浸かってゆっくり休んで万全の状態で明日を迎えればと思っています。明日の一局は持ち時間が比較的短い設定ですので、時間配分も意識しつつ、よい内容の将棋をお見せできるよう全力を尽くしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします」
(谷川浩司十七世名人が乾杯の音頭を取った)
「おふたりの対局の立会人を務めるのは2回目になりまして、前回は半年前に竜王戦第2局でありました。竜王戦のあとも棋王戦、叡王戦と続きまして、タイトル戦は3回目になります。藤井叡王の力は皆さんご存知でしょうけど、伊藤七段もこの短期間で3回挑戦されたというのはトップ棋士の証でありまして、ふたりのタイトル戦が令和の名勝負になる予感がします。
実はタイトル戦の同一カードの回数というのがありまして、私と羽生(善治九段)さんのタイトル戦がいちばん多い(22回)のですが(会場拍手)、2番目が羽生さんと佐藤(康光九段)さんになります(21回)。まだまだ先は長いんですけど、対局者はふたりとも若いですし、同年代というのは活躍を続ける時期が重なるということでもあるので、ぜひともこの記録を破ってほしいなと考えております。それでは明日の名局の誕生を祈念いたしまして、乾杯とさせていただきます。乾杯!」
(書き起こし=生姜、写真=銀杏)