2023年5月 6日 (土)

Img_2547(インタビュー終了後、感想戦が行われた)

Img_2550(再び勝ち越した藤井聡叡王。次戦で3連覇を決められるか)

Img_2560(菅井八段は連勝が奪取への条件となった)

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Img_2580(感想戦は19時57分に終了した)

終局後、感想戦に先立ち、両対局者にインタビューが行われました。

Img_2535(終局直後の対局室。このあとインタビューが行われた)

 

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――一局を振り返って。
藤井 かなり判断の難しい将棋で、どんな形で本格的な戦いに入るのかわからないまま指していました。
――△4二飛(36手目)のあたりは。
藤井 こちらの大駒をどう使っていくか難しい展開で、あまり見通しの立たない展開なのかなと思って指していました。
――△7七銀(92手目)のあたりは千日手か、ともいわれていた。
藤井 そうですね、うーん、そういう可能性もあるのかと思っていたんですけど、時間もなかったので、よくわからなかったという感じでした。本譜は攻め込まれてしまって苦しくなってしまったかなと思っていたので、△7七銀のときに何か▲6二ととか、そういった手で千日手の変化を受け入れたほうがよかったかもしれません。
――▲2二角(117手目)が非常に印象的だった。
藤井 あのあたりは手順に攻められてしまって苦しいかと思っていたんですけど、少しでも頑張れればと思ってやっていました。
――よくなったと思ったのは。
藤井 ▲7二銀(149手目)が詰めろで入る形になったので、少し一手勝ちを狙えそうな局面になったかなと思いました。
――本局を総括してどうだったか。
藤井 一局を通して非常に難しい将棋で、中盤の構想の立て方があまりよくなかったところもあったので、そのあたりを課題として次局頑張りたいと思います。
――2勝1敗で第4局に臨む意気込みを。
藤井 ここまでの3局の内容を踏まえて、また精いっぱい指したいと思います。

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――3局続けての三間飛車、また、前局に続いての相穴熊戦でした。その後、非常に押し引きの続いた中盤戦でしたが。
菅井 すごく難しい中盤戦でした。
――その後、双方一分将棋の終盤戦に突入しました。終盤戦を振り返られて。
菅井 そうですね、一分将棋に入ってから、何手かミスが出たように思います。
――形勢を悪くされたところを敢えてあげるとすればどこですか。
菅井 どこでというのはちょっと分からないですけど、成算がありませんでしたので、もうちょっと千日手の順を考えるべきだったように思います。
――改めて本局を振り返っていただきまして、1勝2敗で迎える第4局に向けての抱負を。
菅井 難しい将棋だったと思いますけど、終盤戦でミスが出てしまったので、それを少し修正して、次局に臨みたいと思います。

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五番勝負第3局は藤井叡王が勝ちました。終局時刻は18時57分、消費時間は両者4時間。藤井叡王はシリーズ成績2勝1敗、防衛まであと1勝としました。第4局は5月28日、岩手県宮古市「浄土ヶ浜パークホテル」で行われます。

20230506148控室の検討では図から▲7八同金△同竜▲8九金△7七金でどうかというもの。ところが藤井聡叡王の指し手は▲7二銀(下図)。△7七金までが既定路線と見ていた控室ですが、▲7二銀を見た勝又七段は「よくこんな勝ち方できるね」と感嘆の声を上げました。

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20230506133菅井八段よしで進められていた終盤戦ですが、ここにきて藤井聡叡王がよくなったとの評判で控室は一致しています。図から△9七同歩成に▲同香が後手玉を狙う攻めの香に変わるのが大きいようです。

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18時15分、図の局面で菅井八段が持ち時間を使いきり、両者一分将棋となりました。
菅井八段は次の手の考慮中、両手を頭に当てて悩んでいる様子を見せています。

Img_2534(18時15分頃、ともに一分将棋に入った)

20230506101_3図から菅井八段は△8八角成。大駒をすべて手中にしていましたが、ここで1枚切り飛ばしました。ただしそれでも1九の馬と4一の飛車の受けの馬力がすさまじく、持ち駒である飛車は攻めに専念できそうで、大駒のフル稼働となってきました。

Img_2227(菅井八段は大駒の力で勝利を手繰り寄せにいく)

2023050686図は菅井八段が△6四香と飛車取りで返した局面。検討では▲6一成銀△6九香成の順が示されていましたが、藤井聡叡王の指し手は▲6五歩。以下△6二成香▲6四歩と進みました。駒割りは▲金△角銀で実質、先手の角損。継ぎ盤で先手側に座る勝又七段は▲6五歩を見て絶叫後、「私は角損ですよ。ほんとにー」と、声にならない声を上げて頭を悩ませています。

2023050673図は16時43分の局面。藤井叡王が▲6四銀と7五の銀を突っ込んでいった局面です。勝又七段と今井女流1級による継ぎ盤は△8六金▲同歩の局面で何手か候補が調べられて止まっていますが、勝又七段は「先手を持って自信のない局面」との見解を寄せています。実戦も▲8六同歩まで進みましたが、△4三飛や△6六歩などをはじめ後手に攻防において指したい手が多く、「これは藤井叡王のほうが千日手を狙いにいく展開になっていると思います。検討をしていても千日手が結論になる進行が何度か出ていて、結構ありうる未来のように思います」との予想図を述べました。

Img_2248_2(藤井叡王は局面をどう見ているか)