図では▲3七桂が予想されていました。ただ、△2六歩とされると互いに手が出しづらく、千日手がもありえます。どうしたものかと検討陣が頭を悩ませていたところ、藤井叡王は2分の考慮でさらりと▲3八飛を選択。勝又七段は思わず「見えているものが違う」とうなりました。2四に歩を垂らしたからには、▲3七桂から▲2五桂が目につくため、▲3八飛は盲点に入りやすい手です。しかし、藤井叡王はしっかりとすくい上げました。指されてみると後手の対応が難しい。
先手は7九銀型で玉が堅いので、3五で角交換になる変化はよし。▲3八飛に(1)△2六歩▲3五歩△2七歩成も▲3六飛で大丈夫。後手のと金が空振り気味です。実戦は(2)△4六歩▲同角△4五桂と進みましたが、先手が角を引いたあとに▲4六歩が残ります。展開としては後手が忙しくなりました。どこかで奥の手の△9四歩を出すことになりそうです。
2023年4月11日 (火)