図では▲3七桂が予想されていました。ただ、△2六歩とされると互いに手が出しづらく、千日手がもありえます。どうしたものかと検討陣が頭を悩ませていたところ、藤井叡王は2分の考慮でさらりと▲3八飛を選択。勝又七段は思わず「見えているものが違う」とうなりました。2四に歩を垂らしたからには、▲3七桂から▲2五桂が目につくため、▲3八飛は盲点に入りやすい手です。しかし、藤井叡王はしっかりとすくい上げました。指されてみると後手の対応が難しい。
先手は7九銀型で玉が堅いので、3五で角交換になる変化はよし。▲3八飛に(1)△2六歩▲3五歩△2七歩成も▲3六飛で大丈夫。後手のと金が空振り気味です。実戦は(2)△4六歩▲同角△4五桂と進みましたが、先手が角を引いたあとに▲4六歩が残ります。展開としては後手が忙しくなりました。どこかで奥の手の△9四歩を出すことになりそうです。
2023年4月11日 (火)
長い戦い、懸念は残り時間
落ち着いた手
15時のおやつ
神田地域散策3
神田地域散策2
神田地域散策1
千代田区北東部の地域を「神田」と呼びます。北は神田川、西と南は日本橋川(神田川の分流で隅田川にそそぐ)が境界線ですが、神田川の一部北側も含みます。1947年に麹町区と神田区が合併して千代田区になりました。神田地域は、書店街で有名な神保町界隈、学生街の御茶ノ水界隈、下町文化の残る神田界隈、電気街の秋葉原界隈に分かれ、神田明神は神田川の北側、秋葉原界隈にあります。4月1日に神田地域を散策したので写真で紹介します。
(神田界隈のJR神田駅が散策の出発点。神田地域の東側にある)
(神田駅を南にいくと日本橋川。写真奥は常盤橋、高架は首都高速道路)
開戦
解説会が始まる
久保九段に聞く
大盤解説者の久保九段が現地に到着しました。
――ここまでの進行について。
久保 先手は9筋を突き越していて、ありそうでない形。後手は9筋逆襲も考えているかもしれませんが、基本的には先手の様子を見ながら指していくことになりそうです。先手のほうが指し手はわかりやすいですね。桂や飛車を攻めに使っていくイメージです。先手の攻めをすべて防ぐのは難しいので、後手はうまく待ちたいです。
――このシリーズについて。
久保 対抗形シリーズになるでしょうから個人的にも注目しています。菅井八段はいろいろと研究・対策をぶつけていくでしょう。対して藤井叡王がどのように指し回していくか。(藤井叡王は)番勝負を重ねながら対策を深めていくのかもしれません。
図は15時58分の局面。残り時間は残り時間は▲藤井31分、△菅井1時間31分。後手に苦労が多そうな戦いですが、まだはっきりとした差はついていません。控室では「長い戦いになる」との見込みですが、「そうなると残り時間が気になる」といわれています。叡王戦の持ち時間はチェスクロック式の各4時間。実はタイトル戦で実質的に最も少ない持ち時間です。ほかのタイトル戦よりも決断よく指さなければいけません。
図で▲7九銀が指されました。落ち着いた手と評判です。図のままでも▲5七角と引けましたが、後手に5筋から動かれたときに角の当たりが強いという問題がありました。▲7九銀から▲6八角とすれば5筋攻めは怖くありません。ほかにも、7九銀型は飛車の打ち込みに強い(先手は飛車を切りやすい)、6八角型は8六の守備強化につながる可能性があるなど、水面下の変化でも得になりそうな手でした。
















1図から▲3五歩△同歩▲同角△3一飛▲2四歩で開戦しました。先手は銀冠の完成から、よどみのない流れで仕掛けており、調子はよさそうです。▲3五歩が指されたのは13時53分。現在は▲2四歩以下△4二角▲3六歩△2四歩(2図)まで進んでいます。





