2023年4月22日 (土)

検分は17時から予定されていましたが、記念撮影が終わり次第に開始され、5分あまり前倒しになりました。

Kenbun01 (下座側から見える外の景色。東を向き、朝はカーテンが閉められる)

Kenbun02 (藤井叡王)

Kenbun04 (菅井八段)

Kenbun06 (駒は2組用意され、福崎九段が2組目の平箱を用意する)

Kenbun08(選ばれたのは写真手前、最初に並べた大竹竹風師作の菱湖書だった)

座布団や空調、照明の具合なども確認し、いずれも問題なく検分は10分足らずで終了しました。

16時45分からホテル内のチャペルで記念撮影が行われました。

Kinen01

Kinen02

Kinen03

Kinen04

Kinen05(中に入るのではなく、鐘の前で撮影することになった)

Kinen06 (まずは2人で)

Kinen07(立会人の福崎九段が間に入る。両対局者の表情も柔らかに)

Kinen08 (本局の見届け人、山﨑正夫様を挟んで)

藤井聡太叡王(六冠)に菅井竜也八段が挑戦する、第8期叡王戦五番勝負(主催:不二家、特別協賛:ひふみ(レオスキャピタルワークス)、協賛:中部電力、豊田自動織機、豊田通商、日本AMD)は藤井叡王が先勝。藤井叡王が2連勝と走るのか、菅井八段が勝ってタイに戻すのか。第2局は4月23日(日)に「名古屋東急ホテル」(名古屋市中央区)で行われます。先手は菅井八段。持ち時間は各4時間(チェスクロック使用)。切れたら1手60秒の秒読み。対局開始は9時。昼食休憩は12~13時。立会人は福崎文吾九段、現地大盤解説会解説は糸谷哲郎八段、聞き手は中澤沙耶女流二段、記録係は榊大輝初段(久保利明九段門下)がそれぞれ務めます。

中継は棋譜・コメントを武蔵、ブログを飛龍が担当いたします。どうぞよろしくお願いいたします。

Tobira1 (名古屋駅至近のミッドランドスクエア。名古屋対局場が入っている)

2023年4月11日 (火)

感想戦は仕掛けの局面を中心に、手短に終わりました。
第2局は4月23日(日)に愛知県名古屋市「名古屋東急ホテル」で行われます。
以上で本局の中継を終わります。ご観戦いただきましてありがとうございました。

Dsc_4775(感想戦後、ABEMAのインタビューを受ける藤井叡王)

Dsc_4777

Dsc_4729(対局を振り返る藤井叡王)

「序中盤は9五歩の位を生かせるかがポイントでした。仕掛けの形を作るのが難しく、その辺りは分からないまま進めていた感じでした。そのあと、こちらが攻めを受け止めるような形になって、少しずつ指しやすくなったのかなと思います」

Dsc_4746(菅井八段)

「数年ぶりのタイトル戦で久々にこの緊張感を味わうことができました。結果は残念でしたけど気合が入りましたので、次に向けて頑張りたいと思います」

Dsc_4758 

Dsc_4750

Dsc_4585(藤井叡王が勝利。秒読みになっても盤石の指し回しだった)

――午前中の展開について。

藤井 ▲9五歩(13手目)と位を取った形をどう生かせばよいか、わからないまま進めていました。

――仕掛けからの流れについて。

藤井 動いていったのですが、いったん受け止められた形になってしまい、あまりうまくいっていないのかなと思いました。▲6八銀(59手目)と引いたあたりでは仕掛けていった成果が挙がっていなのかなと。

――その後は後手から端攻めがあった。

藤井 こちらが駒得の形になったので、端を突破されなければ何とか指せそうかなと思いました。

――△5五歩(102手目)に時間を使い切って▲同歩としました。あのあたりは。

藤井 どういう方針で指すか、わからないところではありました。

――手応えを感じた局面は。

藤井 決め手を得られない時間が長かったですが、▲5二香成(141手目)で攻めがつながる形になりました。

――先に持ち時間を使い切った。難しかったところは。

藤井 攻め駒が少ない形なので、どのようにして戦いを起こしていくか。そのあたりが難しいところでした。

――本局全体を振り返って。

藤井 序中盤は苦心したところが多かったのですが、終盤は相手の攻めを受け止める形になって、そのあたりで指しやすくなったかなと思います。

――タイトル戦で初めて振り飛車党を相手にすることになった。

藤井 タイトル戦以外でも対抗形は指しているので、これまでと違ったということはありませんでした。シリーズということで第1局以降も続いていくので、本局の内容を踏まえて戦えていければと思います。

――第2局に向けて。

藤井 本局は途中で時間が少なくなってしまったので、時間配分も含めて、よりよくできていければと思います。

Dsc_4617(敗れた菅井八段)


――駒組みについて。

菅井 そんなに成功はしていないのですが、将棋として仕方ない展開かと思いました。普通の形より少し損をしているので、そのあたりがどうだったのかなと。

――仕掛けから後手が桂損になった。

菅井 ▲3八飛(67手目)に△2六歩を突けないとまずい形ですし、その前に△3四歩とした手を後悔していたので、そのあたりがよくなかったです。

――そのあたりは誤算があったのか。

菅井 ▲3八飛があまり見えていなかったので、そこで形勢が苦しいと感じてしまいました。

――その後の端攻めについて。

菅井 もう少し早く端を攻める展開もあったと思うのですが、それと比べて本譜はすごい損をしているので。その前に△4六歩(68手目)▲同角△4五桂としたのですが、そこからはうまく指されるとまずいと思いました。

――本局全体の感想。

菅井 中盤の重要な局面で、自分のほうが正確性がなかったので、そのあたりは反省しています。

――久しぶりのタイトル戦だった。

菅井 気持ちも入りますし、真剣に勝負できているので、いい経験になっています。

――タイトル戦で藤井さんと戦ってみての印象は。

菅井 それはいちばん最後(このシリーズを終えたあと)にします。

――叡王戦は不二家が主催している。おやつなどについて。

菅井 どういうおやつを選ぶかも考えます。今日はそれほど余裕がなかったのですが。

――第2局に向けて。

菅井 精いっぱい頑張りたいと思います。

Dsc_4628 

Dsc_4642

20230411_147第1局は147手で藤井叡王の勝ちとなりました。終局時刻は18時16分。消費時間は、▲藤井4時間0分、△菅井3時間53分。第2局は4月23日(日)に愛知県名古屋市「名古屋東急ホテル」で行われます。

230411100▲9五歩の金取りに△9二香打(図)。金を逃げない、すさまじい粘りです。▲9四歩には△同香とし、9筋を逆襲できれば先手陣の7筋の壁を利用できます。むしろ△9五金まで考えているかもしれません。対して藤井叡王が図で指した▲4五飛は華麗な切り返し。4四の角は質駒かと思いましたが、角の目の前で止まることで飛車を9筋に利かす手がありました。あとは△5五歩が最後の難敵です。

230411094先手が銀桂得になりました。さらに図で先手の手番。先手が着実にリードを広げています。残り時間は▲藤井11分、△菅井49分。藤井叡王は少ない残り時間で着地を決められるか、菅井八段は決め手を与えずに粘れるかという状況です。

230411081図は16時50分の局面。先手は79手目▲4五歩で桂得を果たし、さらに▲4四歩(図)で後手陣に迫っています。△4四同角には▲4八飛です。先手優勢がはっきりしました。ここまで先手に目を見張るような派手な手はありませんでしたが、61手目▲7九銀、68手目▲3八飛など、見えにくい手を丁寧に拾い上げていった結果がこの差につながったようです。

Dsc_3898(昨日18時40分に撮影。本局は夜戦に入る前に決着するかもしれない)