2022年5月15日 (日)

Dsc_5221(感想戦の前に大盤解説会に向かう)

Dsc_5227(大勢の人々が拍手で迎え入れ、カメラを向ける)

Dsc_5231(藤井叡王。「しっかり反省して、次局に臨みたい」と話す)

Dsc_5238(出口六段。本局の和服が師匠・井上九段に贈られた話になり、「第1局は父にプレゼントされたもので、どちらも大変ありがたいこと」と感謝を述べた)

【大盤解説会場でのインタビュー】

室谷 対局お疲れ様でした。まずは勝たれました藤井叡王、千日手局も含めて2局指されましたが、本日を振り返られていかがですか。

藤井 タイトル戦で千日手になったのは初めてでしたが、自分なりに精一杯指せたのではないかと思います。

室谷 本日は地元である名古屋での対局でした。そのあたりはいかがでしたか。

藤井 叡王戦は前期も2局、名古屋で開催していただき、今回またここで戻ってこれて、指せることをうれしく思っていました。

室谷 次の第3局は5月24日でもう9日後と迫ってきています。次戦に向けての抱負をお願いいたします。

藤井 まずは本局をしっかり振り返って、その課題を第3局で修正していきたいと思います。


室谷 続いて、出口六段、本日、初めてタイトル戦で千日手を経験されましたが、そのあたりはいかがですか。

出口 ちょっと千日手指し直し局がダメな内容になったというのがあったので、集中力がもうちょっと長く続くように、頑張りたいと思います。

室谷 千日手になったのは意外だったところもあったのでしょうか。

出口 ちょっとまずくしてしまったところもあったように思ったのですが、その前はもしかしたらいい流れもあったのかと思いますし、千日手は流れからいくと妥当というような気がしました。

室谷 この第2局では師匠である井上慶太九段からいただいた和服での対局とお聞きしたのですが、それを着ての対局はいかがでしたか。

出口 (フフフと笑ったあと)、いや、ほんとにありがたいかぎりで、ちょっと言葉が出てこないんですけど、第1局は父から、この第2局は師匠からということで、本当にありがたいことだなと思っています。

室谷 初めての名古屋対局はいかがでしたか。

出口 本当にいい環境を用意していただいて、本当に集中して指すことができました。

室谷 次戦、5月24日の第3局への意気込みはいかがでしょうか。

出口 しっかり反省して、次に臨みたいです。

(書き起こし=潤)

Dsc_5199(終局直後)

Dsc_5210(千日手指し直し局で快勝した藤井叡王。防衛にあと1勝に迫った)

Dsc_5204(敗れた出口六段。あとがなくなった)

【終局直後インタビュー】

―― 藤井叡王から指し直し局を振り返ってください。

藤井 途中から攻め込んでいったんですけど、リスクの多い指し方で、ちょっと判断のつかない局面が多かったです。

―― 踏み込んだというのは、藤井叡王がですか?

藤井 あーそうですね、はい。

―― 玉頭に馬を作られました。

藤井 こちらの攻めが細い攻めで続いていたということもあって、形勢がどうなのか、よく分からないまま指していました。

―― 出口六段はいかがですか。

出口 ▲2一角を見落としてしまって。ただ、悪いながらももうちょっと粘る順があったのではないかと。

―― 千日手局はいかがでしたか。

藤井 途中で失敗してしまって、どう勝負するかと。千日手は仕方がないのかなと思いました。

出口 攻め方を間違えてしまった気がします。千日手になるのかも分からず、千日手はしょうがないかなと。

―― 藤井叡王はおやつに不二家さんの「コロコロくまさん」を頼まれました。

藤井 前期は「コロコロしばちゃん」をいただいて、今期は「コロコロくまさん」をいただいたのですが、チョコの味が前期とはまた違った美味しさがありました。

―― 出口六段は初の名古屋対局でした。食事などはいかがでしたか。

出口 名古屋の食事はすごく美味しかったです。

―― 藤井叡王はこれで2連勝となりました。

藤井 内容をしっかり振り返って、次につなげられればと思います。

―― 出口六段はいかがでしょうか。

出口 指し直し局に見落としがあったので、もうちょっといい内容にできるように頑張りたいです。

(書き起こし=潤)

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第7期五番勝負第2局指し直し局、▲藤井叡王-△出口六段戦は19時31分、75手で藤井叡王の勝ちとなりました。消費時間は両者4時間0分(チェスクロック使用)。
シリーズ成績はこれで藤井叡王の2連勝となりました。第3局は5月24日(火)に千葉県柏市「三井ガーデンホテル柏の葉 柏の葉カンファレンスセンター」で行われます。

20220515d_2藤井叡王がどんどん強気な攻めを繰り出しています。図は▲4四金と歩頭に金を放ったところで、△同歩は▲7六馬を飛車を取れますし、△7八飛成▲同玉△4四歩は▲4二飛から後手玉が詰み、△7四飛は▲4三馬△6二玉▲5三金△7二玉▲6一馬から先手が勝ちます。

実戦は△8六飛と寄り、▲4三馬△5一玉▲5三金△8二飛と進みました。

20220515e_2出口六段は飛車の横利きで粘ろうとしています。しかし、▲8三歩や▲2五歩の継続手があるため、容易ではありません。

Dsc_5098(対局再開時の藤井叡王)

対局場から徒歩5分の距離にある「中部電力ホール」では、稲葉八段と室谷女流三段の大盤解説会が行われています。撮影したのは16時20分ごろで、和やかに雑談をしていました。その後、千日手になるとは思いもしなかったでしょう。

Dsc_5128

Dsc_5133(稲葉八段)

Dsc_5135(室谷女流三段)

20220515b_2指し直し局も相掛かりになり、持ち時間が少ないこともあってハイペースで進んでいます。図は△2二銀に▲2一角と打ち込んだところで、久保九段は「先手は手が広いところで▲2一角と踏み込んだので、これでいけるという自信を感じます」と話しています。
実戦は△2三銀に▲3二角成△2四銀▲8二歩と進んでいます。久保九段は▲3二角成に代えて、▲2三同飛成△同金▲3二銀の攻めもあるかと検討していました。以下△2二金なら▲4三銀成△6二玉▲5三成銀△同玉▲7六角成と飛車を素抜けます。

Dsc_5149(藤井叡王、出口六段はともにタイトル戦で初めての千日手。職員から今後のスケジュールについて、説明を受ける)

Dsc_5153(上位者の藤井叡王が駒を仕舞う)

Dsc_5154(出口六段は苦しい将棋を千日手に持ち込んだ)