2022年4月28日 (木)

相掛かりの時代

前日の関係者食事会では、佐藤康九段が「昨年もだが、両対局者の年齢を合わせても私のほうが年上」と話していました。藤井叡王は現在19歳、出口六段は今日が27歳の誕生日です。

対局者の年齢の若さでは、1990年の第57期棋聖戦五番勝負で屋敷伸之棋聖(当時18歳)と森下卓六段(当時24歳)が争った例があります。立会人の島九段は、1989年の第2期竜王戦七番勝負で自身26歳、挑戦者は羽生善治六段(当時19歳)という戦いを経験しました。現地を訪れている佐藤康九段も、1993年の第6期竜王戦七番勝負で自身24歳、羽生善治竜王(当時23歳)に挑んだ経験があります。

戦法の流行に目を向けると、当時は矢倉が中心に指されていて、相掛かりはどちらかといえばスペシャリストの戦法でした。中原誠十六世名人や塚田泰明九段が得意にしていましたが、島九段は「主力戦法ではなかったので対策も甘かった」と回顧します。現在は矢倉が減って相掛かりが中心になり、戦いの様相も力戦のような趣があった時代から、研究勝負の最前線へと性格を変えています。

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