戦型は相掛かりに進みました。藤井王位・棋聖がオーソドックスに好形を目指したのに対し、豊島叡王が工夫した駒組みを見せています。自ら金銀の連結を崩す△5四銀(38手目)が珍しい構え。手元のデータベースでは、代えて△5四歩、△5二金が指されていました。比べると、本局は腰掛け銀にすることで中段への圧力は強くなっていますが、玉が薄くなるので意外性があります。控室では、相掛かりの研究に定評のある伊藤匠四段も「知らないです」と首をかしげていました。意欲的な構想がどう結実するのか、今後の展開に注目です。
2021年9月13日 (月)