千駄ヶ谷にある将棋会館の歴史は1961年、木造2階建ての旧会館が完成したことに始まります。終戦直後に対局場が転々としていた棋士たちにとって、将棋会館を持つことは大きな宿願でした。日本将棋連盟の会長を務めた加藤治郎名誉九段は、かつて徳川家が馬場として使っていた土地を得て、寄付を募ってようやく建設にこぎつけたと回想しています。この旧会館が手狭になったため新会館建設が決まり、地下1階、地上5階の現在の将棋会館が1976年4月20日に落成しました。1階玄関には、新会館建設に尽力した大山康晴十五世名人のレリーフが飾られています。対局室だけでなく販売部や道場があり、棋士だけでなくファンにも親しまれてきた将棋会館。老朽化に伴い、耐震工事を施して使用してきましたが、2024年に新施設への移転が予定されています。
2021年9月13日 (月)