阿部隆九段の見解 豊島竜王・名人はこの一手と思われた▲3四桂に32分を費やしました。以下、△3三角▲4二桂成△同角▲7四飛。阿部九段は「▲7四飛は△8三香を避けた意味が強いですね。何かやってきてほしいのですよ。先に受けると駒不足になってしまいますから」と解説しました。△4四香ならば、そこで▲3八銀と受けるようです。 (モニターを見ながら見解を述べる阿部九段)
19時過ぎの局面 上図は再開後、▲3七桂△2九歩成▲同金と進んだ局面。△6九銀▲同玉△4九飛のような順も考えられたところ、永瀬叡王は△2七飛と打ちました。以下、▲2八香△3七飛成▲2二香成△同角と進んでいます。対しては▲3四桂の両取りがパッと目につくところですが、豊島竜王・名人は20分以上もの考慮に沈みました。 (豊島竜王・名人は時間を使う)
関西将棋会館案内(4階) 4階には多目的ルームと、2部屋の対局も行われる和室があります。 (教室などが行われる多目的ルーム) (「錦旗の間」と隣の「水無瀬の間」が控室になっている) (エレベーターホールには大山康晴十五世名人の肖像画)
対局再開 18時30分、対局が再開されました。終局まで休憩はありません。 (永瀬叡王が先に戻っている) (まるで手番かのように盤上に没頭) (豊島竜王・名人も定刻までに余裕を持って戻る) (両者着座。永瀬叡王は難しそうな表情) (再開の声がかかり、豊島竜王・名人は盤上に手を伸ばす) (再開の一手は桂を逃げる▲3七桂だった)
豊島竜王・名人の辛抱 パタパタと上図、竜の捕獲が実現しました。以下、▲2二竜△同金▲3九金と進んでいます。豊島竜王・名人は金を自陣に投入し、飛車打ちのキズを消しました。対して急いで攻めるなら△2八歩、じっくり指すなら△6二銀(▲3四桂なら△3二金▲4二桂成△同金で遊び気味の金を使う)が考えられます。 (自陣に金を打ち、キズを消した豊島竜王・名人)
関西将棋会館案内(3階) 3階以上は基本的に関係者以外は入れません。限られた分だけですが、紹介します。 (事務室、棋士室、宿泊室のある3階) (棋士室の書庫。『将棋世界』誌がズラリ) (最新の9月号の表紙は藤井聡太棋聖) (付録。女流棋士が解説を受け持つのは珍しい) (エレベーターホールには木村義雄十四世名人の肖像画)
早い展開に 上図は△4四角▲5六歩に△2五歩と合わせたところ。永瀬叡王が2筋から動こうとしたところ、▲6八角△2六歩▲同銀△同飛▲同金△同角と一気に激しくなりました。さらに▲2五飛で下図。 以下、△4四角▲2一飛成△2二金▲1一竜△2一金打と進むと竜が捕まります。控室の空気は一転、竜を取られると先手が厳しいのではないかとの声が上がりました。 (永瀬叡王に流れがきつつあるか)