*第9期五番勝負第5局 Feed

2024年6月20日 (木)

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図の局面で藤井叡王が約11分使って昼食休憩に入りました。休憩時間は12時から1時間。ここまでの消費時間は、▲藤井59分、△伊藤1時間59分(持ち時間は各4時間)。藤井叡王の昼食は天ぷらそば御膳(冷)とウーロン茶、伊藤七段は特製カレーライスとアイスティー(ストレート)。

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図は10時45分ごろの局面。先手の堅固な穴熊に対し、後手は薄い右玉で気を使う展開が予想され、検討では後手の指し手が難しいとされています。たとえば図から△3六歩▲4五桂△3七歩成▲7五歩。そこで△3八とは▲1八角と使われてしまいますし、△2七とは▲4六飛が角当たりになります。自然に進めるなら以下△7五同歩▲7四歩△4四歩▲7三歩成△同玉で変化図。

240620_061s変化図から▲6五歩や▲5九金が有力。先手は穴熊の堅陣を維持しつつ、攻めの手作りにも成功しているため、ペースを握って戦えそうです。変化図を前に「達人じゃないと受からないような」と深浦九段。「後手はどう指すのでしょう」と松尾八段。最初の図に戻り、後手はどう指すか。終盤に突入する可能性も高く、伊藤七段は長考の気配です。

Dsc_6431(大一番を迎えた伊藤七段。力を発揮できるか)

甲府駅から武田神社まで歩いてみました。武田神社は1919年に創建。躑躅ヶ崎館の跡地に建てられており、武田信玄が祭神です。駅から神社までの大通りは「武田通り」と呼ばれています。

Dsc_5292(駅からゆるゆるを坂を上った先、相川扇状地の開口部に武田神社はある)

Dsc_5298(6月30日は夏越の大祓。拝殿の前に茅の輪があった)

Dsc_5310(境内の至るところに武田菱がある)

Dsc_5334(境内から武田通りを望む。以上、写真は19日に撮影)

甲府市は、山梨県の県庁所在地。県の中央にあり、南北に長く、市の中央やや南のあたりの甲府盆地が中心市街にあたります。市内から南に富士山、西に南アルプスの山々を見ることができます。戦国時代には武田信虎(信玄の父)の居館、躑躅ヶ崎館があり、甲府の名の由来(甲斐の国の府中)なったとされています。特産品は、ぶどう、ワイン、梨など。郷土料理として、あわびの煮貝、ほうとう、鳥もつ煮も有名です。

Dsc_5224(JR甲府駅南口)

Dsc_5204(駅構内に名物の紹介コーナー。ほうとう、ワイン、信玄餅など)

Dsc_5211_2(南口に武田晴信=信玄の像)

Dsc_5342(北口には信玄の父、武田信虎の像)

Dsc_5256(駅の近くに舞鶴城公園がある。舞鶴城は武田滅亡後の江戸時代に建城された)

Dsc_5280(舞鶴城の天守跡から周囲を望む。南に富士山)

Dsc_5265_2(西に南アルプス。まだ雪が残る。以上、写真は19日に撮影)

240620_048本局は早いペースで進んでいます。深浦九段に話を聞きました。1図は9時35分ごろの局面。

深浦九段「第4局は後手陣が6三金型でした。6三金型は堅いため、△6五歩から△6六歩と動き、▲6六同銀と先手の駒を上ずらせることができましたが、本局では難しそうですから、先手は堅陣のメリットを生かせそうです。ただし、先手も銀を6七に引いているので攻めは少し薄い。1図から▲2四歩△同歩▲同飛に対して△3五歩は当然の反発だったと思います」

240620_059_2△4九角に▲5六角で2図。10時5分ごろの局面。

深浦九段「△4九角は伊藤七段の研究手だと思います。対して15分の考慮で▲5六角と返したことを思うと、藤井叡王もまだ研究範囲内でしょうか。△4九角はあと戻りのできない、思いきった手ですから、この手を巡って当面は進んでいくと思います。後手は盤の右側でポイントを挙げたい。先手はうまくいなせるか。まずはそこに注目です」

Dsc_6651(深浦九段と松尾八段の検討)

Dsc_6751(行方九段も参加)

Dsc_6664(見届け人のアテンド役は勝又清和七段と安食総子女流二段)

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10時になり、午前のおやつが出されました。
藤井叡王 山形県産佐藤錦と北海道産クリームチーズのダブルミルクレープ
     アイスレモンティー
伊藤七段 プレミアムショートケーキ
     アイスティー(ストレート)

【ダブルミルクレープ|不二家】
https://www.fujiya-peko.co.jp/cake/item/18927.html
【プレミアムショートケーキ|不二家】
https://www.fujiya-peko.co.jp/cake/item/10410.html

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240620_044図は9時30分ごろの局面。第1局から第5局まで、すべて角換わりになりました。後手右玉は第1局(後手伊藤)と第4局(後手藤井)で指されていますが、この2局は△4二玉から右玉に移行したのに対し、今回は5一の初形から△6二玉でした。
本局に近いのは、今期挑戦者決定戦の▲永瀬拓矢九段-△伊藤匠七段戦。永瀬九段は初形の右金を5八に上がりましたが、藤井叡王は▲4八金から▲5八金としたため、挑戦者決定戦と比べて1手損をしています。

【第1局 棋譜中継】
http://live.shogi.or.jp/eiou/kifu/9/eiou202404070101.html
【第4局 棋譜中継】
http://live.shogi.or.jp/eiou/kifu/9/eiou202405310101.html
【挑戦者決定戦 棋譜中継】
http://live.shogi.or.jp/eiou/kifu/9/eiou202403190101.html

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朝は伊藤七段、藤井叡王の順に入室。福田三段は藤井叡王側の歩を5枚取り、15秒ほど手の中で振ってから絹布に駒を放りました。結果は歩が3枚。第5局は藤井叡王の先手です。

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Dsc_6524(藤井叡王)

Dsc_6509(伊藤七段)

Dsc_6571(歴史に残る一局、運命の振り駒)

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Dsc_6603(定刻の9時に対局開始)

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