*第9期五番勝負第5局
前夜祭(5)
前夜祭(4)
深浦九段、松尾歩八段、貞升南女流二段による明日の見どころ紹介がありました。
「2人がバチバチにやり合っているのがわかる。大きな一局、ギリギリの戦いを皆さんと一緒に見守りたい」
「後手になった側が角換わりを受けるかどうか。深い研究、ハイレベルな攻防を棋士として楽しみにしている」
「2019年の将棋の日で、永瀬九段と藤井叡王が食事のとき、楽しそうにずっと将棋の話をしていたことが印象的」(※当時は永瀬拓矢叡王・王座、藤井聡太七段)
トークの中盤、深浦九段からテーブル席の福田三段に「振り駒をやる福田三段が責任重大ですよね。たくさんシャカシャカやってもらえれば両対局者、納得しますから」と声がかかりました。
前夜祭(3)
前夜祭(2)
前夜祭(1)
18時から常磐ホテルで前夜祭が開かれました。
「明日の第5局は日本中が注目している。おやつで疲れた頭脳の栄養補給をしていただいて、名勝負を期待したい」
「叡智がぶつかる戦い。常磐ホテルという名対局場、明日の対局は大棋士たちも見守っていることと思う」
「若い2人の対局が楽しみ。熱い戦いを期待している」
「常磐ホテルは山梨県における将棋の殿堂。決戦の場に選んでいただき誇らしく思う」
「甲府が開府500年を迎えた2019年に『将棋の日in甲府』を開いた」
検分
記念撮影
フルセット
藤井叡王は、現在進行中の叡王戦と棋聖戦を除くと、タイトル戦に22回出場し、そのすべてでタイトルを獲得してきました。フルセットになったのは、2021年の第6期叡王戦五番勝負以来2回目です。
第6期叡王戦は豊島将之叡王(当時)に挑戦したシリーズでした。藤井王位・棋聖(当時)は2勝1敗で第4局に敗れてフルセットに。第5局は藤井二冠が振り駒で先手番を得て、111手で勝利。初の叡王獲得を果たしています。
今回は1勝2敗で5月31日の第4局を迎えました。初のカド番を制してフルセットに。第5局は振り駒から注目が集まります。藤井叡王の先手勝率は8割9分4厘、後手勝率は7割7分8厘。伊藤七段の先手勝率は7割2分0厘、後手勝率は7割4分5厘です(未放送のテレビ棋戦を除く)。伊藤七段は今回が初めてのフルセットです。
常磐ホテル
常磐ホテルは1929年(昭和4年)に創業した老舗ホテル。JR甲府駅から車で10分足らずの湯村温泉郷にあり、貴賓客の宿泊も数多く、甲府の迎賓館として親しまれてきました。約3,000坪の日本庭園を囲むように離れがいくつもあり、ホテル棟からは南アルプスや富士山を遠望することもできます。井伏鱒二や山口瞳が愛した宿としても知られます。二人とも作家であると同時に愛棋家でもありました。
常磐ホテルは、将棋や囲碁のタイトル戦を数多く開催してきました。番勝負の後半を受け持つことが多く、その前に決着した場合は開催されないこともよくあります。タイトル戦開催を支える、縁の下の力持ちのような存在です。
女流棋戦では2021年から今年4月まで、4年連続で第14~17期のマイナビ女子オープン第2局が開催されています。一方、棋士のタイトル戦は、21年8月の第6期叡王戦第2局、▲豊島将之叡王-△藤井聡太王位・棋聖戦以来となります。豊島藤井戦のあと、以下7回の開催が予定されていましたが、いずれも開催には至りませんでした。
21年12月 第34期竜王戦七番勝負第7局(第4局まで)
22年6月 第80期名人戦七番勝負第6局(第5局まで)
22年10月 第70期王座戦五番勝負第5局(第4局まで)
22年12月 第35期竜王戦七番勝負第7局(第6局まで)
23年6月 第81期名人戦七番勝負第6局(第5局まで)
23年10月 第71期王座戦五番勝負第5局(第4局まで)
23年12月 第36期竜王戦七番勝負第7局(第4局まで)
藤井叡王が常磐ホテルで指すのは第6期叡王戦以来、今回が2回目。2019年には「将棋の日in甲府」の開催に合わせ、第32期竜王戦第4局の検討陣の一人として常磐ホテルを訪れています。伊藤七段は今回、初めて訪れたとのことです。
【常磐ホテル公式】
https://tokiwa-hotel.co.jp/
【常磐ホテル営業部長、小沢行広さんのインタビュー|将棋連盟(2017年)】
https://www.shogi.or.jp/column/2017/01/296.html