2024年6月20日 (木)

対局当日の朝を迎えました。甲府は晴れのち曇り。予想気温は18度から31度。スケジュールは以下の通りです。

09:00 対局開始
10:00 おやつ
12:00 昼食休憩
13:00 対局再開
14:00 現地解説会開始
15:00 おやつ
- -:- - 終局

Dsc_6383(ホテル棟の眺望。左に富士山が見える)

2024年6月19日 (水)

お楽しみ抽選会、行方理事の中締めと続き、前夜祭は盛会のうちに終了しました。
以上で対局前日のブログ更新を終わります。明日もよろしくお願いします。

Dsc_6309(抽選会の景品は、棋士の色紙、ペコちゃん人形、叡王戦ポスターなど)

Dsc_6344(「二人の戦いはこれからも続く。明日はその第1章のフィナーレ」と話した)

深浦九段、松尾歩八段、貞升南女流二段による明日の見どころ紹介がありました。

Dsc_6163(深浦九段)

「2人がバチバチにやり合っているのがわかる。大きな一局、ギリギリの戦いを皆さんと一緒に見守りたい」

Dsc_6192(松尾八段。明日の現地解説会で解説を務める)

「後手になった側が角換わりを受けるかどうか。深い研究、ハイレベルな攻防を棋士として楽しみにしている」

Dsc_6224(同じく聞き手の貞升女流二段)

「2019年の将棋の日で、永瀬九段と藤井叡王が食事のとき、楽しそうにずっと将棋の話をしていたことが印象的」(※当時は永瀬拓矢叡王・王座、藤井聡太七段)

トークの中盤、深浦九段からテーブル席の福田三段に「振り駒をやる福田三段が責任重大ですよね。たくさんシャカシャカやってもらえれば両対局者、納得しますから」と声がかかりました。

Dsc_6244(急に話題を振られ、少し動揺した様子の福田三段)

Dsc_6266(明日は振り駒の大役を務める)

深浦九段から乾杯の発声があり、しばらくは歓談の時間になりました。

Dsc_6082(立会人の深浦康市九段)

「明日は両対局者が持てる力を精いっぱい発揮されますように」

Dsc_6132(出席者に出された料理)

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対局者は花束贈呈を受け、第5局に向けての意気込みを語り、明日のために会場をあとにしました。

Dsc_5881(全国中学生選抜将棋選手権の山梨県大会優勝者から花束が贈呈された)

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Dsc_5958(藤井叡王のあいさつ)

「2019年の将棋の日のイベントでは竜王戦も開催されて、控室で将棋を検討して楽しい時間を過ごした。今回は皆さまに楽しんでいただける将棋を指せるよう、全力を尽くしたい」

Dsc_6021(伊藤七段のあいさつ)

「常磐ホテルは数多くの名局が繰り広げられてきた場所で訪れるのを楽しみにしていた。明日は大きな一局で緊張感もあるが、集中してよい勝負をお見せできるように頑張りたい」

18時から常磐ホテルで前夜祭が開かれました。

Dsc_5724_2(株式会社不二家の河村宣行・代表取締役社長)

「明日の第5局は日本中が注目している。おやつで疲れた頭脳の栄養補給をしていただいて、名勝負を期待したい」

Dsc_5761(行方尚史九段。日本将棋連盟の理事としてあいさつをした)

「叡智がぶつかる戦い。常磐ホテルという名対局場、明日の対局は大棋士たちも見守っていることと思う」

Dsc_5800(レオスキャピタルワークスの岩田次郎・常務取締役)

「若い2人の対局が楽しみ。熱い戦いを期待している」

Dsc_5840(長崎幸太郎・山梨県知事)

「常磐ホテルは山梨県における将棋の殿堂。決戦の場に選んでいただき誇らしく思う」

Dsc_5868(樋口雄一・甲府市長)

「甲府が開府500年を迎えた2019年に『将棋の日in甲府』を開いた」

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Dsc_5737(今回は着席式の前夜祭だった)

16時30分から検分がありました。将棋連盟が所有する新品の駒が2組用意され、藤井叡王が大竹竹風作の錦旗書を選びました。使用される駒は終局後、見届け人の方にプレゼントされます。

Dsc_5520(藤井聡太叡王)

Dsc_5554(伊藤匠七段)

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Dsc_5577(2組のうちどちらを選ぶか、最終判断は藤井叡王に委ねられた)

Dsc_5687(選ばれた駒)

Dsc_5692(駒の平箱に揮毫)

Dsc_5650(動画班のインタビューを受ける藤井叡王。ハードスケジュールも問題なしとのこと)

Dsc_5665(伊藤七段は景色を眺めながら答えを考えることが多かった)

藤井叡王は、現在進行中の叡王戦と棋聖戦を除くと、タイトル戦に22回出場し、そのすべてでタイトルを獲得してきました。フルセットになったのは、2021年の第6期叡王戦五番勝負以来2回目です。

第6期叡王戦は豊島将之叡王(当時)に挑戦したシリーズでした。藤井王位・棋聖(当時)は2勝1敗で第4局に敗れてフルセットに。第5局は藤井二冠が振り駒で先手番を得て、111手で勝利。初の叡王獲得を果たしています。

今回は1勝2敗で5月31日の第4局を迎えました。初のカド番を制してフルセットに。第5局は振り駒から注目が集まります。藤井叡王の先手勝率は8割9分4厘、後手勝率は7割7分8厘。伊藤七段の先手勝率は7割2分0厘、後手勝率は7割4分5厘です(未放送のテレビ棋戦を除く)。伊藤七段は今回が初めてのフルセットです。

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常磐ホテルは1929年(昭和4年)に創業した老舗ホテル。JR甲府駅から車で10分足らずの湯村温泉郷にあり、貴賓客の宿泊も数多く、甲府の迎賓館として親しまれてきました。約3,000坪の日本庭園を囲むように離れがいくつもあり、ホテル棟からは南アルプスや富士山を遠望することもできます。井伏鱒二や山口瞳が愛した宿としても知られます。二人とも作家であると同時に愛棋家でもありました。

常磐ホテルは、将棋や囲碁のタイトル戦を数多く開催してきました。番勝負の後半を受け持つことが多く、その前に決着した場合は開催されないこともよくあります。タイトル戦開催を支える、縁の下の力持ちのような存在です。
女流棋戦では2021年から今年4月まで、4年連続で第14~17期のマイナビ女子オープン第2局が開催されています。一方、棋士のタイトル戦は、21年8月の第6期叡王戦第2局、▲豊島将之叡王-△藤井聡太王位・棋聖戦以来となります。豊島藤井戦のあと、以下7回の開催が予定されていましたが、いずれも開催には至りませんでした。

21年12月 第34期竜王戦七番勝負第7局(第4局まで)
22年6月 第80期名人戦七番勝負第6局(第5局まで)
22年10月 第70期王座戦五番勝負第5局(第4局まで)
22年12月 第35期竜王戦七番勝負第7局(第6局まで)
23年6月 第81期名人戦七番勝負第6局(第5局まで)
23年10月 第71期王座戦五番勝負第5局(第4局まで)
23年12月 第36期竜王戦七番勝負第7局(第4局まで)

藤井叡王が常磐ホテルで指すのは第6期叡王戦以来、今回が2回目。2019年には「将棋の日in甲府」の開催に合わせ、第32期竜王戦第4局の検討陣の一人として常磐ホテルを訪れています。伊藤七段は今回、初めて訪れたとのことです。

【常磐ホテル公式】
https://tokiwa-hotel.co.jp/
【常磐ホテル営業部長、小沢行広さんのインタビュー|将棋連盟(2017年)】
https://www.shogi.or.jp/column/2017/01/296.html

Dsc_5397(常磐ホテルの外観)

Dsc_5382(ロビーから庭園が見える)

Dsc_5365(庭園に面した離れの「九重」が対局場)

Dsc_5413(館内には、開催してきた将棋や囲碁のタイトル戦にまつわる品が展示されている)

Dsc_5414(第6期叡王戦五番勝負第2局、常磐ホテル。藤井叡王は挑戦者として戦った)