【藤井叡王の談話】
――一局を振り返って。
藤井「6筋から仕掛けた辺り(62手目△6五歩)は予定だったんですけど、こちらの玉も薄い形なので、常に距離感が難しい将棋かなと思っていました」
――勝負のポイントとなった局面は。
藤井「△6五歩(80手目)に▲7七銀と引いた局面で長考しましたが、本譜はあまりよい感触ではなかったです。あの辺りが急所かなという気はしたんですが、何がよかったかは、まだ分からないところです」
――勝ちになったと思われた局面は。
藤井「△7五馬(104手目)と引いた局面は見慣れない形で判断がつきませんでしたが、馬が手厚い形なので、何とかなる可能性もあるのかなとは思いました」
――カド番に追い込まれていたが、どのような心境で本局を迎えたか。
藤井「自分にとっては大きな一局なので、全力を尽くしたいと思っていました」
――カド番の一局をしのいだことについて。
藤井「ひとまず最終局に持ち込めたのはよかったですが、次も大事な一局になるので、そちらに向けても状態を整えていければと思います」
――最終局まで20日ほど間隔が空くことについては。
藤井「その間にほかの対局もありますし、最終局は振り駒になるので、幅広く考えていきたいと思います」
【伊藤七段の談話」
――一局を振り返って。
伊藤「こちらが(59手目▲2四歩と)2筋を交換したタイミングで△6五歩から動かれて、そのあと△9五歩(66手目)に対して▲同歩から本譜の▲8七角を打つ順はあまり本意ではなかったんですけど、指してみるとかなり角が負担になる展開だったのかなと思いました」
――誤算があった局面は。
伊藤「そのあとも難しいかなと思っていましたが、△7五馬(104手目)と引かれた図はかなり対処が難しかったので、その前の手順で工夫が必要だった気がします」
――初タイトルが懸かった一局。どのような心境で臨んだか。
伊藤「しっかり盤上に集中して臨めればと思っていました」
――最終局に向けて。
伊藤「本局は熱戦にできず残念な内容でした。次局も注目される舞台だと思うので、よい内容が指せるよう、全力を尽くしたいと思います」