防衛を決めた藤井叡王。
【藤井叡王の談話】
――再指し直し局を振り返って。
「途中から激しい攻め合いになったのですが、進んでみるとこちらの攻め駒が少ない形で、あまりうまくいっていないのかなと思いました。そのあと、端を攻めていく展開になって、非常に際どかったと思うのですが、最後はなんとか少し抜け出せたのかなと思います」
――第4局は千日手が2回という大熱戦でした。どういった思いで戦っていましたか。
「2局も将棋も途中苦しい局面もあったかなと思いますし、全体を通して非常に大変な戦いだったなと思っています」
――シリーズは3勝1敗で防衛しました。本シリーズを通しての感想は。
「相穴熊になった将棋が多かったのですが、中盤から終盤にかけて、うまく距離感をつかめないところが何点かあったと思うので。その辺りの課題を感じましたし、全体を通しても苦しい将棋だったと思うので、その中で結果を出せたことを嬉しく思っています」
――岩手県には今回初めてお越しいただいたということでした。宮古市での対局で感じたところはありますか。
「本当に温かく迎えていただいて。対局室も窓から絶景が見える素晴らしいところで。本当によい環境で対局させていただいたなと思っています」
菅井八段。
【菅井八段の談話】
――再指し直し局を振り返って、控室では△7二飛(44手目)に▲8八角で再度の千日手もあるかという話も出ていました。その辺りはいかがでしたか。
「そうですね、▲8八角を指そうと思ったぐらいですけど……。ちょっと、▲5八飛のほうを選択してしまいました」
――攻め合いになった辺りはどのように感じていましたか。
「▲5八飛と回ったあと、△4七桂(62手目)▲4八金に△5六歩と、歩をつながれる手をうっかりしていたので。ちょっと(飛車を5八に)回ってからは、もうどうしようもないかなと思いました」
――千日手2回の激戦でした。どういった思いで戦っていましたか。
「千日手の2局目で、最後(105手目▲7一銀に)△6一歩と打って打開する手があったと思うのですが。それで勝負だったんじゃないでしょうか」
――シリーズ最終局となりました。シリーズを通しての感想をお願いします。
「数年ぶりのタイトル戦だったんですけど。やっぱり結果はちょっと、まったくというか、全然ついて来なかったんですけど。凄い残念な結果になってしまったと思っています」
――盤を挟んでみて、藤井叡王の印象はいかがでしたか。
「将棋に真っ直ぐなんだろうなということを凄く感じました」
――宮古市での対局、大勢のファンの方も大盤解説会に来ています。最後にご感想を聞かせてください。
「本当に将棋に集中できる環境を作ってもらえたなと。自分としては力は発揮できたんじゃないかと思っています。ただ、いまの将棋もそうですけど、ちょっと将棋としての精度がだいぶ低かったので、それはちょっと、せっかく見に来てくれているファンの方にも申し訳ないと思っています」