2018年5月26日 (土)

前夜祭6

Dsc_2370 (高見六段のあいさつ)

「本日、検分の前に富岡製糸場をガイドしてもらいました。生糸の生産にはたくさんの人々の手が入って、一本の糸になります。これは自分とつながるものがありまして、将棋を始めてからこの場に立つことができたのは、関係各位の皆さまのおかげであります。
第3局まで終えて、タイトル戦を戦っている充実感もあり、精進しなければいけないと思うところもあります。将棋ブームのなかで、そして皆さまに応援していただいてタイトル戦を戦えていることを幸せに思います。
ここまで叡王戦の決勝七番勝負に出るために、細い細い一本の糸を死に物狂いでつかみとったようなもの。これを大きな束にして、後世に語り継がれるような名勝負にしたいと思いますし、ここまで戦ってきた自分を信じて精一杯、戦いたい。星取りは意識していないので、一局一局、全力を尽くしたいと思います」(高見六段)

Dsc_2426 (金井六段のあいさつ)

「温かい雰囲気のなかで迎えてくださり、また短い時間のなかでたくさん激励していただき、ありがとうございます。富岡製糸場を見学させていただき、私も歴史、技術の進歩を感じさせていただきました。今回は対局室がいつもと違った雰囲気だと思います。
群馬には、父の実家があり、毎年のようにいとこの家に遊びに行きました。棋士になってからは、何年か前に群馬のスター、三浦九段と目隠し将棋を指すイベントがありました。最終盤まで激戦でしたが、私が5枚目の金を打つ勝負手を放ち、会場が凍りついた記憶があります。そのあとも、イベントを手伝ってくれていた高校生と将棋を指す縁がありました。そういうこともあって、群馬はホームのような気持ちです。
明日はいよいよ第4局。スコアのうえでは、高見六段の勢いを感じる3局でした。でも明日、高見さんの勢いを止められるのは自分しかいません。シリーズで押し込まれたのも自分ですけども、予選、本戦の厳しいトーナメントを何とか勝ち上がってきたのも自分ですから、明日、明日こそは、皆さまの心に残るよい棋譜を残せればと思います。精一杯指すことを誓いまして、私のあいさつとさせていただきます」(金井六段)