藤井聡太叡王に伊藤匠七段が挑戦する第9期叡王戦五番勝負第2局は、18時20分に87手で伊藤七段の勝ちとなりました。秒読みの攻防の中で伊藤七段が藤井叡王の玉を詰ましました。消費時間は▲伊藤4時間0分、△藤井4時間0分。
本局の結果、五番勝負は両者1勝1敗になりました。第3局は5月2日に名古屋市「名古屋東急ホテル」で指されます。
両者秒読み
利かし
図は63手目▲2四歩の局面。8七のと金を取る前の利かしです。△2四同歩と取らせることで、後の▲2四飛から▲3四飛や、図から△2四同歩▲8七金に△4五銀▲同銀△2八角成▲3四銀(参考図)と進んだ場合に、2三に駒を打てるため先手は後手玉を攻めやすくなります。▲2四歩の利かしが、△4五銀からの直線的な攻め合いの牽制にもなるわけです。
藤井叡王は図から△2四同歩▲8七金と進んだ局面で持ち時間を使いきって秒読みに入り、△4五銀▲同銀に△同桂としました。
(叡王戦五番勝負の見届け人は特典の一つに、「対局に使用した駒をプレゼント」があり、駒を入れる平箱には両対局者と立会人が揮毫する)
【第9期叡王戦五番勝負「見届け人」を募集します】
https://www.shogi.or.jp/news/2024/03/9_31.html
両者残り30分を切る
損得微妙な王手
16時台の大盤解説会
(指し手が止まったときに不二家の特設サイトの話題を出すなど、話が止まらない楽しい解説会)
大盤解説会
午後のおやつ
控室の様子
叡王戦五番勝負では後手番で苦戦の藤井叡王
叡王戦で3連覇中の藤井叡王ですが、五番勝負の後手番は苦戦。現在、1勝3敗2千日手です。前期第4局の千日手指し直し局(2回目)が、藤井叡王にとって叡王戦五番勝負の後手番初勝利でした。先手番では9勝0敗1千日手なので、現在は偏りがあります。
先手番の伊藤七段にとっては、番勝負の成績を五分に戻すためや対藤井叡王戦の初勝利、といった意味でも、アキレス腱を攻めて勝ち星を挙げたい一戦です。
藤井叡王の叡王戦五番勝負における後手番局の成績は以下の通りです(対戦相手の肩書は当時のもの)。
21年8月3日 第6期第2局 ● 豊島将之叡王
21年8月22日 第6期第4局 ● 豊島将之叡王
22年5月15日 第7期第2局 千 出口若武六段
23年4月23日 第8期第2局 ● 菅井竜也八段
23年5月28日 第8期第4局 千 菅井竜也八段
23年5月28日 第8期第4局 ○ 菅井竜也八段