2025年3月18日 (火)

20250318_58第1図は互いに▲8八玉、△2二玉と入城させた直後の局面。実戦はここで▲4五歩と突っかけ、以下△同歩▲4四歩△5二銀▲4八飛△3三桂▲1五歩(第2図)と進みました。20250318_65先手は4四に拠点を築き、△5二銀を強要させたのは大きなポイントです。後手玉の守りが薄まりました。先の△3三桂は▲4五桂を防いだ手ですが、今度は▲1五歩が待ってましたの突き出し。第2図から△1五同歩▲3五歩△同歩▲1五香△同香▲3四歩と進めば先手の優位は明らかです。斎藤慎八段がペースを握ったと見て間違いないでしょう。

20250318a7300972(斎藤慎八段)

20250318_48図は13時30分頃の局面。後手は7五の位に目をつけ、5二にいた飛車を7二に回りました。次の狙いは△7四歩▲同歩△同金です。先手はまだ攻撃態勢が整っていないので、▲2六角~▲3七桂を急ぐ展開が予想されます。

12時40分、対局が再開されました。

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20250318a7301030(斎藤慎八段は再開直後に▲6八銀と着手する際、盤側にチラッと目をやった。残り時間の表示を確認していたか)

20250318a7301040(糸谷八段は相手の表情をうかがうことが多い)

20250318a7301036(再開後はハイペースで指し手が進んでいた)

20250318_3212時、この局面で斎藤慎八段が1分使って昼食休憩に入りました。消費時間は▲斎藤1時間1分、△糸谷58分。昼食の注文は糸谷八段が「うな重セット、肝吸い」(ふじもと)、斎藤慎八段が「バターチキンカレー」と「キーマカレー」のダブルかけ(rico curry)。対局は12時40分に再開されます。

20250318a7300996(糸谷八段のメニュー )

20250318a7301001(斎藤慎八段のメニュー)

20250318_24図は11時20分頃の局面。後手が8二の飛車を5二に転回させたところです。居玉のまま5筋を戦場にするとは大胆な動きです。図で▲5五歩△同銀▲5六歩は△同銀▲同銀△同飛で数が足りないので、先手は左右どちらかの金を6七に上がることが予想されます。玉の堅さ重視なら▲6七金右、中央の厚みを優先させるなら▲6七金左を選択することになります。

20250318a7300907(上座を占める糸谷哲郎八段が駒を盤上に散らす)

20250318a7300924(斎藤慎太郎八段)

20250318a7300911(糸谷八段)

20250318a7300928(振り駒は糸谷八段の振り歩先で「と金」が4枚。斎藤八段の先手番が決まった)

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2025年3月17日 (月)

伊藤匠叡王への挑戦を目指す第10期叡王戦。本戦トーナメント決勝に勝ち上がったのは、糸谷哲郎八段と斎藤慎太郎八段です。両者の対戦成績は7勝7敗。どちらが勝っても叡王初挑戦となります。
対局は3月18日(火)に東京・将棋会館「特別対局室」で行われます。対局開始は10時、持ち時間は各3時間(チェスクロック使用)。使いきると1手60秒未満の秒読みとなります。先後は振り駒で決定します。

本局の中継は棋譜コメントを文、本ブログを玉響が担当します。よろしくお願いいたします。

【棋譜再生ページ】
http://live.shogi.or.jp/eiou/kifu/10/eiou202503180101.html