2026年4月 3日 (金)

対局場の「シンガポール日本人会」は1915年に設立された会員制クラブ。施設内には多目的ルームやカラオケルーム、日本料理や売店などがあり、対局日には日本人の親子の姿が多く見られた。対局には4階の和室が使用されている。

Dsc_4093(シンガポール日本人会の外観)

Dsc_4087(シンガポール日本人会のロゴマーク)

Dsc_4098(エントランス)

Dsc_4101(今年は日本とシンガポールの外交関係樹立60周年となる)

Dsc_4114(エレベーターホールの様子。日本の伝統文化が感じられる)

Dsc_4120(対局室の中庭)

【シンガポール日本人会】
https://www.jas.org.sg/

シンガポール対局は1993年の第6期竜王戦七番勝負第1局・羽生善治竜王-佐藤康光七段戦が初で、昨年9月の第73期王座戦第1局・藤井聡太王座-伊藤匠叡王が2回目、本局が3回目となります(肩書きはいずれも当時)。

Dsc_1782(夜のマーライオン)

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伊藤叡王は昼食休憩を挟む1時間3分の長考で▲3四飛(1図)と指しました。控室では▲3五飛が検討されていました。▲2二角成△同銀▲3二飛成が狙いです。▲3五飛だと△8八角成▲同銀△4四角といった筋が生じるため、角筋を避けたのかもしれません。1図以下、△8八角成▲同銀△5五角(2図)と進んでいます。△5五角は▲2二歩を消しながら△1九角成を見ています。

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Dsc_3571(受け身寄りの進行になっている伊藤叡王)




三枚堂達也七段は後手持ちの見解を示す。「ペースまではいってはいないと思いますが、後手のほうが攻め筋(△1九角成や、△9五歩▲同歩△9八歩▲同香△9七歩▲同香△9八飛)が見えますので。▲3四飛は3六の歩を取る狙いで、受け寄りの展開ですし、1筋の2手をどう生かすのか。先手のほうがより神経を使うでしょう」と三枚堂七段は話しています。

15時、午後のおやつは伊藤叡王がチーズタルト、フレッシュオレンジジュース。斎藤八段がチーズタルト、ミルキーカステラ、マンゴージュースです。チーズタルトはデンマーク産のクリームチーズを使用したなめらかなチーズタルトです。ミルキーカステラはミルキーの練乳を使用し、しっとりふわふわに仕上げたカステラです。

Dsc_3826(伊藤叡王が注文したおやつ)

Dsc_3839(斎藤八段が注文したおやつ)

Dsc_3830(チーズタルト)

Dsc_3865(ミルキーカステラ)

14時から現地大盤解説会が始まりました。

Dsc_4008(大盤解説会場の様子)

Dsc_4015(トップバッターは糸谷八段と野原女流二段が担当した)

Dsc_4020(糸谷八段)

Dsc_4047(野原女流二段)

Dsc_4073(通訳は石川泰指導棋士四段が務めた)

Dsc_4081(会場の様子)

Dsc_4121(控室では出番を控えた三枚堂七段と北尾女流三段が継ぎ盤を挟む)

Dsc_4127(相掛かりを得意にしている三枚堂七段)

Dsc_4134(4月1日付けで昇段した北尾女流三段)

Dsc_3872(休憩中の対局室)

Dsc_3914(昼食休憩中の局面。手前が先手の伊藤叡王)

Dsc_3886(伊藤叡王の王将。駒は淘水師作の菱湖書が使用されている)

Dsc_3898(斎藤八段の玉将)

Dsc_3922(上座の視線)

Dsc_3927(下座の視線)

Dsc_3931(記録用のタブレットと棋譜用紙)

Dsc_3935(記録係は宮嶋四段)

Dsc_3940(対局者の脇には不二家のお菓子が叡王戦専用箱に詰められている)

Dsc_3945(対局再開を待つ静寂な対局室)

20260403c12時30分、この局面で伊藤叡王が19分使って昼食休憩に入りました。ここまでの消費時間は▲伊藤1時間35分、△斎藤54分。昼食の注文は両者ともにチキンライス、アイスティーです。対局は13時30分に再開します。

Dsc_3784_2(両者が注文した昼食)

Dsc_3791(チキン以外も豊富なメニュー)

Dsc_3796(チキンライス)

Dsc_3803(ごろっとしていて食べ応えがありそうなチキンがたっぷり)

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伊藤叡王の先手番で相掛かりに進みました。伊藤叡王の得意戦法ですし、居飛車本格派の斎藤八段も迎え撃つと前夜祭で予想されていました。
後手番の斎藤八段は▲9六歩に対して△9四歩(1図)と受けました。含みの多い手で、右桂の退路を作りながら先手からの▲2四歩を牽制しています。

20260403b2図までは前例がありました。2022年度の第81期順位戦C級1組の▲黒田尭之五段-△三枚堂達也七段戦(先手勝ち)です。三枚堂七段は△8四銀と上がって飛車交換を拒否しましたが、斎藤八段は△5二玉と上がったのです。以下、実戦は▲8二飛成△同銀▲7六歩△3六歩▲1六歩△7二金と進んでいます。前例のない進行で、新定跡が誕生するかもしれません。

Dsc_3512(飛車交換を避けない新研究を披露した斎藤八段)